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[2006年11月11日]

 「ファンの応援も材料にと思ったが、最後は一番大きな決断要因になった」。プロ野球・広島東洋カープの黒田博樹投手(31)の残留会見は最近似ない気持ちのいいものだった▼プロ野球も日本ハムの日本一でシーズンは終わり、ストーブリーグに入っている。とくに注目されるのが、他球団への自由な移籍権利(FA権)を獲得した選手たちの動向だ。巨人軍の小久保裕紀内野手(35)や日本ハムの小笠原道大内野手(33)などが相次いでFA宣言をしている▼黒田投手は昨年最多勝、今年は最優秀防御率とセリーグ投手部門で2年連続のタイトルホルダーで、今オフの最大の目玉でもあった。当然、FA宣言をして有利な選択を、と思われていたが、彼は行使しなかった▼むろん、背景には球団側の懸命な慰留工作もあった。しかし、黒田投手が挙げたのは地元、広島での最終戦となった10月14、16日の試合。残留を願うフ ァンが彼の背番号15を書いた真っ赤なパネルでスタンドを染めた光景に「他球団のユニフォームを着てカープの選手やファンを相手に投げることは想像できなかった」と▼たかが野球、されど北海道と日本ハムを例にするまでもなく、地域に夢と感動を与えてくれるのも野球。黒田投手のみせた心意気に来期はチームとファン、地域が一つになって戦ってくれることを期待している。(龍)

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