悠言録

トップ悠言録一覧 > 悠言録

[2006年11月17日]

 アカデミー賞監督、クリント・イーストウッドが描いた映画が話題を集めて いる。太平洋の激戦地、硫黄島を舞台に、日米双方の視点から兵士たちの心を見つめる2作品だ▼アメリカ側から描く作品は、硫黄島に星条旗を打ち立てる有名な被写体となった若者たちが、政治家により利用され傷ついていく実話に基づいている。また日本側の作品では、軍を率いた栗林中将が家族に宛てた手紙を元に、日本人の家族愛と祖国愛を描いている▼この作品のテーマになるのが「愛国心」。その愛国心の対象である「国」は「愛郷心」を主体とした社会共同体と、「忠誠心」を軸とした政治共同体とに分けられる。占領下にない独立国では愛国心を育てる教育を行う国がほとんどだが、戦後、日本は「愛国心」高揚を意識的に避けてきた。その理由は、愛国心、民族主義の高揚の果てに敗戦を迎えたことから、それがタブー視されてきたからだ▼そして愛国心に代わって台頭してきたのが「個人主義」。戦後、「民主主義」の名のもとに「個人」が尊重され、「国」や「社会」への概念は大きく変貌、人々の主張は「義務」から「権利」へと転じた。「今の若者らの多くは半径5メートル内のことしか興味も関心も持たない」と評した人がいる。そうした考えが蔓延すれば国家や地域はどうなるのか▼人を愛し、家族を愛し、そして郷土や風土を愛することが、愛国心へとつながるのだが…。(克)

  • 10月5日付新聞の事前予約はコチラ
  • 奈良日日新聞社は「Sport for Tomorrow コンソーシアム」の会員です。
  • LINE@で情報発信中!!
  • 凛と咲く〜輝く女性たち
  • 広告のご案内
  • 購読・購入のお申込み
  • 会社情報


ホームニュース紙面内容紹介論点悠言録

購読のお申し込みバックナンバー購入のご案内広告のご案内会社情報個人情報保護

当サイトに掲載の記事・写真・図版などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権並びに国際条約により保護されています。

Copyright Nara Nichinichi Newspaper