悠言録

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[2007年01月10日]

 新年も10日近く過ぎた。元日からつけ始めた日記を、もうやめた人も少なくないだろう。三日坊主とはいうが、1週間ぐらいが黄信号か▼日記は正月スタートのシンボル的存在で、歳時記でも「初日記」「日記始」などがあり、堀内薫の句に〈新日記三百六十五日の白〉。真新しい空欄を1日1日と埋めて行く作業は、楽しいか苦しいか。継続できるか否かの大きな分岐点だろう▼A・ビアスは日記を『悪魔の辞典』でこう定義した。「生活の中で、自分自身に対して顔を赤らめずに物語ることのできる部分についての日々の記録」。とはいえ、人は自分に向かってさえも記述内容を選択するものだが▼日記は、つける人と、つけない人に分かれる。当たり前の話だが、その区分けは面白い。持続力の有無、意志の強弱を判定する側面もあろう。だが、日々完全燃焼の生活を心掛け、過去は過去といった信条の人もいるだろう▼告白的要素と記録的要素を併せ持ち、極めてプライベートな領域をつづる日記。書くも勇気、書かざるも勇気だ。ただ日記は、いささかの脚色は伴っても、実生活の記録として生き様が反映する。まずは顔を赤らめずにすむ生活が営めるか否か▼そういえば、新聞は社会の日記とも考えられる。登場人物は不特定だが、世相全体を知る鏡ともなる。書く方が赤面せずにすむような人物のニュースが多くあるよう祈っている。(宏)

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