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[2007年01月14日]

 高校野球の醍醐味は準々決勝にあり、大相撲は関脇の活躍する場所が面白いという。この初場所、関脇どころか、早くも3日目で三役の全勝が消えた▼横綱朝青龍にも早々と土がつき、連勝の難しさを思う時、必ず浮かぶのが双葉山の69連勝。少年時代、家業を手伝って船に乗り、機械で右手の小指を潰された。5歳の時には友達が射た吹き矢が当たり、右眼がほぼ失明状態の中で達成した偉業である▼昭和14年(1939)のあす1月15日、その浮沈戦艦が沈んだ。春場所4日目、双葉山70連勝を阻止したのは前頭4枚目の安芸ノ海。参謀が笠置山(本名・仲村勘治)だった▼大和郡山市(旧生駒郡)出身の笠置山は、小学生時代に学童相撲で優勝。旧制郡山中学では柔道部に所属したが、3年生の時、出羽海親方(元横綱常陸山)に見込まれて入門。転校した早稲田中学から早大に進み、初の大学出身力士に▼小兵だったが、理詰めの取り口には定評があり関脇まで昇進。引退後は一門の知将として、無敵双葉山を倒すべく、安芸ノ海に外掛けの策を授けたという。後年は年寄秀ノ山(先代)としてテレビ解説などで活躍したのは周知の通り▼そんな安芸ノ海も笠置山も、巨人双葉山あってこそ存在が光ったとも言える。現代の各分野で、実力と品格を兼ね備えた〈横綱相撲〉ができる人物が、どれほどいるだろう。そして、光り輝く関脇は。(宏)

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