悠言録

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[2007年01月20日]

 約40年ぶりに受験生になった。第1回奈良まほろばソムリエ検定試験であるが、一夜漬け勉強が学生時代と同じだったのは情けない▼きょう20日からは大学入試センター試験。世相や方式、チャレンジャーは変わっても、サバイバル合戦は不変だ。いつの世も狭き門を前に、時代を反映する悲喜こもごもの人間模様が描かれてきた▼昭和44(1969)年1月19日、東大の安田講堂が落城した。70年安保前夜、数年前からの学園紛争が極点に達し、東大でも医学部学生処分に端を発した紛争が先鋭化。反日共系の学生が安田講堂を占拠し、警官隊が応戦するという事態に▼機動隊8500人が突入し、ついに安田城は陥落。激戦35時間のドラマは終わった。この年、東大の入試は中止され、受験予定者は他の国公立大や有力私学に流れた。日本官僚機構の途切れも懸念されたが、本末転倒の発想であった▼「なぜ彼らは死ななかったのか、私には不思議だ」。こんな疑問を投げかけたのが三島由紀夫。いささか不穏当な発言だが、彼一流の美学に同調するにせよ、反発するにせよ、明確な答えが出されないまま、筆者も含め、当時の若者は「団塊の世代」と名を変えた▼いま定年問題を迎え、また世間を騒がしている世代。宿題の答えを出すのは、これからか。功罪いずれであろうが、毀誉褒貶(きよほうへん)は浮世の常。人生の美学に定年はない。 (宏)

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