悠言録

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[2007年01月21日]

 「私のお墓の前で泣かないでくださいーそこに私はいませんー眠ってなんかいませんー千の風にー千の風になってーあの大きな空を吹きわたっています…」▼テノール歌手・秋川雅史が唄うこの「風になって」という曲がオリコンチャートで1位になった。クラシック部門の曲がトップになったのは初めてという。この曲の原詩と言われる「ATHOUSAND WINDS」は作者不詳の詩▼英国では95年にテロの犠牲者となった青年が、自分が死んだ時に開封するよう両親に託した手紙に残されていた詩だと紹介され話題になり、米国では同時多発テロの追悼式で、亡くなった父親を偲び11歳の少女がこの詩を朗読し、その際も大きな反響となるなどした▼日本では、作家の新井満氏が、友人の死去を追悼する文集でこの詩と出会い、日本語の訳詞と曲をつけて発表。先日も阪神大震災の追悼式などで歌われ多くの人に感動を与えた▼この世で『絶対』と断言できるものは「死」だけ。命あるものは必ず死を迎える。いわば我々は死に向かって懸命に生きているともいえる。しかし、その死を恐れることなく、死後もこの世に生き、人々を見守り続けるという詩が、多くの人々を勇気付けるのだろう▼戦災や震災、大事故など幾多の惨事の犠牲となった御霊への心からの鎮魂と共に、いま生かされている自分に改めて感謝したい。そして、きっといつかは風になって大空へ―。 (克)

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