悠言録

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[2007年01月28日]

 「春」の語源について、「万物が発る」時候というのが一般的な定説だという。「草木の芽が張る」「天気が晴る」「田畑を墾る」などから来るという説も▼これから春になる節目の日、「立春」(2月4日)まであとわずか。春が立つ。心が浮き浮きしてくる。地球温暖化の影響からか、春の気配が訪れるのが年々早まっている。有楽椿や侘助椿が一カ月以上も早くもう咲き始めた。木々の芽が日に日に大きくふくらんできた▼花信風とは、開花の季節を花に知らせる風。花起しの風がそよと吹き始めたように感じられる。春告げ花の梅の開花平年日が最も早いのは、沖縄・名護市の1月14日。最も遅いのは、網走の5月18日。東京は2月2日で奈良は2月7日だ▼万葉集で梅を詠んだ歌は120首。萩の141首に次ぎ、桜の40首の3倍にのぼる。奈良時代まで「この花」といえば梅だった。ふくいくとした匂いに霊力があると信じられ、「この花」の香を我が身に移して魔除けに。いにしえの女性は梅の一枝を髪に、男性は冠に挿した。これを髪挿(かみざし)といい、のちに簪(かんざし)へ▼花より団子、花も嵐も、花いちもんめ、花も実も、花と竜、花宿、花染、花衣、花筏、花妻……花が付く言葉を思いつくまま並べていると、殺風景な部屋に「春」が満開になった。もうすぐ春告げ鳥のウグイスも鳴き始めるだろう。(水)

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