悠言録

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[2007年02月03日]

 如月(きさらぎ)2月。この時期は、昼間時間が元日に比べて約50分ほど長くなる。ちょっぴり心弾み、シクラメン、サフランなどの花が思い浮かぶ▼シクラメンは「豚のまんじゅう」と呼ばれるが、花が下を向いて咲くせいか、花言葉は「はにかみ・内気」。反面、炎が燃え上がるような形状から、牧野富太郎博士は「篝火(かがりび)花」とも命名した▼サフランは「 夫藍」と表記される。なじみ深いのは秋咲きの薬用サフランだが、春咲きサフランは観賞用で、ギリシャ名はクロッカス。語感はサフランの方が、やわらかく華麗だ。北原白秋の詩に同名の一編がある▼コーヒーカップにサフランを植えたところ、「その花ひとつひらけば/あはれや呼吸(いき)のをののく」と嘆息する白秋。香りの良い白、黄、紫などの六弁花はまた、南欧風の料理などに、さわやかな風味と鮮やかな色彩を添えてくれる▼そんな2月。「豆まきの翌日は立春、寒いと思っていたのもつかの間、春が来る」と川端康成は「雪国」で書きつづる。しかし続けて「いや、二月の間はまだ寒さが身にしみる」とも。〈クロッカスときめきに似し脈数ふ 石田波郷〉▼春を待ちわびる気分とは裏腹に、相変わらず世の中は理不尽なことが多い。〈シクラメン虚飾のことば風に乗る 鷲谷七菜子〉。教育、行政などの真の開花はいつか。あす春が立つが、まだ名のみだ。(宏)

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