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[2007年03月17日]

 少子高齢化時代と言われるものの、日本の人口約1億2千7百万人のうち、戦前生まれの人口は約3千万人で、24%を割っている▼戦後生まれが多くなった今、進駐軍という言葉は死語になっているが、奈良市にも進駐軍は数多く駐留していた。奈良に詳しい方の話によると、老舗旅館菊水楼が接収され、奈良の司令本部となった。現在、奈良市の鴻ノ池運動公園となっているあたりが、黒髪山の駐屯地で、奈良教育大学の旧連隊場跡にも駐屯地があった▼三条大路の積水化学工場周辺は、進駐軍将兵の娯楽場として賑わっていた。団塊世代は、街角で時折見かけた米兵にチョコレートやキャラメルを貰ったことを覚えているはずだ▼マッカーサー総司令長官は、「老兵は死なずただ去るのみ」という名言を残して解任された。昭和33年、進駐軍は日本を去った。3月15日、奈良市は合衆国軍隊に対する軽自動車税徴収の特例に関する条例を廃止した▼この条例は合衆国軍隊との地位協定に基づき、納税手続の簡素化のため証紙による納付を認めたものだ。納付書を送っても払ってくれないというのが本音らしいが、米国の自動車税は納付書の配布によるシステムではなく、それに合わせたというのが条例制定の趣旨だった▼進駐軍がいなくなって以降無用のもので、担当課でもその存在が忘れられていたそうだ。ここでも戦後がまたひとつなくなった。(耕)

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