悠言録

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[2007年04月21日]

 奈良公園ではアシビ(馬酔木)が満開だ。スズランに似て可れんに咲く▼ところがこのアシビ、アセボトキシンという有毒成分を持っており、鹿も食べない。奈良公園にアシビが多いのはこのせいらしい。これは「植物の出す化学物質が他の生物に作用を及ぼす」アレロパシーと呼ばれる現象だ▼このアレロパシー、身近なところでは帰化植物のセイタカアワダチ草に顕著だ。セイタカアワダチ草はアレロパシー作用が強烈で、他の植物に優先して成育する。しかし、自分の毒に自分がやられてしまい、いずれ安定化するという▼日本には寄らば大樹の陰という言葉があるが、大樹の株元は大抵草が生えていない。これは大樹が葉を茂らせて光を遮断する物理作用のほかに、他の植物の生育を嫌うアレロパシーのせいだ。大樹は他の植物が寄りついてくることを好んでいないのに日本人は大樹が好きらしい▼これは組織や政治の世界にもよく現れる。なぜか影響力のある人のところへ人が集まる。アレロパシーにはアシビやセイタカアワダチ草のように他の植物への阻害作用のほか、植物にプラスに働く促進作用というのもある▼ひょっとすると、大物政治家には人を集めるアレロパシーがあるのかもしれない。超激戦区となっているある市でしきりに身内議員を増やそうとしている首長がいる。これは促進作用のアレロパシーと見ればよいのだろうか。(耕)

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