悠言録

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[2007年04月23日]

 統一地方選が幕を閉じた。定数割れで再選挙となった上北山村の2議席を残し、新しい首長、議員が誕生。今後の活躍に期待がかかる▼さまざまな戦略、駆け引きの中、悲喜こもごもの結果が出た。ある意味で落ち着くところに落ち着いたとも言える。問題はこれから。権力を得た者の自己規制が肝心だろう。特に金銭をめぐる落とし穴には要注意▼金と言えば、紀伊国屋文左衛門が思い浮かぶ。ミカンと木材で財をなした豪商にはライバルがいた。同じく木材で巨利を得た奈良屋茂左衛門。ある冬の日、奈良屋が茶屋で雪見を楽しんでいると聞いた文左衛門は、使用人に命じた。「雪を消してこい」▼茶屋に乗り込んだ彼らが雪の上にまきちらしたのは小判300両だった。金を拾い回る人々に雪は踏みつけられ、泥にまみれて消えた。いささか眉(まゆ)をひそめたくなる話だが、それが金の力だ▼「あらゆる権力は腐敗の傾向をもつ」とはアクトン卿の言葉。しごく当然の話で、日本、いや世界の政治史を見れば分かる。権力は元々、責任と権利に裏打ちされた権限であるが、時の流れとともに権利だけが突出してしまいがちだ▼今回の選挙によって多くの新人センセイが誕生した。先人の轍(てつ)を踏まないよう、くれぐれも身を律してほしい。反面教師は先輩政治家に多数いる。ちなみに、1734年の旧暦あす24日は文左衛門の命日。(宏)

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