悠言録

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[2007年04月26日]

 町中でスタートした小さな文学活動を紹介しよう。文芸講座と銘打って、奈良女子大学近くの町家で開いている「ならまち文庫・古書喫茶ちちろ」で、文学を学ぶというものである▼奈良は文芸家の育ちにくい土壌であるといわれている。志賀直哉氏が高畑の住居で「暗夜行路」を書き上げたことは周知のことで、志賀氏を慕って武者小路実篤氏や尾崎一雄氏ら多くの作家が奈良にやってきた▼だが、志賀氏を筆頭に奈良土着の人ではない。奈良に一時住んだだけの、いわば腰掛けにすぎない▼奈良で新しい文学は生まれないのか、そんな思いで、自宅を開放して文芸講座を始めたのが私である。自己宣伝のきらいはあるが、少々紹介させていただこう▼文芸講座は読むコースと書くコースの二つに分けてある。読むコース担当の助言者(チューター)は文芸評論家の嘉瀬井整夫氏で、ここ半年間は奈良を舞台にした小説が教材に選ばれている。堀辰雄「大和路・信濃路」、和久俊三「大和首切り地蔵殺人事件」、内田康夫「平城山を越えた女」、渡辺淳一「ひとひらの雪」など▼書くコースは、これまで新聞社や出版社で編集経験が長い著者が担当し、参加者各自の作品をお互いに批評することで、書く力と批評眼を養うというものである。読み書きすることは思考力を養う基礎的な訓練でもある。(し)

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