悠言録

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[2007年05月06日]

 ゴールデンウイークの朝、奈良テレビ社長・弓場季彦さんの本「映画、観ませんか。」を読んだ。同テレビが放送している″ラビリンスシアター″での映画解説をまとめたもの▼弓場さんの映画通は並ではない。奈良県の広報、秘書課長、知事公室長時代を通じて、お茶を飲みながら映画ファン同士の談義を楽しんだ。同年輩として時代感覚、価値観を共有できた▼彼のポケットには手帳が入っている。年間100冊の本を読む読書家だが、本の中の名言を手帳にぎっしり書き留めているのだ。映画のセリフも。会話の合間、手帳を取り出してはそれらを紹介し、話を豊かにする▼「スイスは愛の国だが500年の民主主義と平和は何を生んだか。鳩時計が精一杯さ」(第三の男)「人間は考えすぎると臆病になる。いくつになっても冒険に挑戦すべきだ」(コクーン)▼「だんなさん、ごくろうさんでした。私らのためによう働いて銭っこ稼いで…。ごくろうさんでした。ごくろうさんでした」(壬生義士伝)「世の中はいいものだということを、この年になって知りました。若くはないけれど、どんな嫌な思いをしても生きていることは素晴らしいことですね」(雨あがる)「私を一人にしてください。わずかな自分の時間なのです」(日の名残り)▼映画解説のラストに示すセリフの数々の中に、この人の情がにじみ、余韻がしみじみと残る。(水)

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