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[2007年05月14日]

 今から75年前のあす、すなわち昭和7年の5月15日、当時の海軍の青年将校らと陸軍士官学校の生徒らが首相官邸等を襲撃し、犬養毅首相が射殺された▼いわゆる「5・15事件」で、国家改造、軍部政権樹立のため、東京を混乱に陥れようとして決起したもの。翌日、内閣は総辞職し、海軍大将斎藤実を首班とする挙国一致内閣が発足して、政党内閣制に終止符が打たれた▼前日に来日して犬養首相と面会する予定だったチャップリンも標的になっていたが、直前に急きょ予定を延期して大相撲観戦に行ったために難を逃れたという▼この襲撃時、犬養首相が「話せば分かる」と兵士らに放った言葉は有名。だが「問答無用」と射殺された。首相の説得で兵士の士気が鈍ることを恐れた将校の命令だったとみられる。この日を期して、日本は軍国主義国家への道を加速させることになり、太平洋戦争へと突入していく▼その戦争で、最も多くの民間人の犠牲を出し、米国に占領され、27年間統治下におかれた沖縄が、皮肉にもこの日からちょうど40年後の昭和47年の同じ日に返還され、本土復帰したのは何か因縁深い▼「話せば分かる」というのは人間のコミュニケーションの基本である。だが、現代では「話しても分からない」人々が実に多いことか。国家も職場も家庭も、もっと話し合い分かり合って、平和な社会を構築したいものだ。(克)

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