悠言録

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[2009年12月08日]

 近ごろの政治は「追い風」が勝利への必需品めいており、これも一種の神風だろうか。本物の神風の有無はともかく、60数年前の多くの日本国民は信じ、待望していたようだ▼昭和16(1941)年12月8日未明、日本軍がハワイ真珠湾を奇襲、太平洋戦争に突入した。日本とハワイの時差は約19時間。日本では月曜だったが、ハワイはまだ7日の日曜日で米艦隊の休暇日だった故に選ばれたXデーだという▼「ニイタカヤマノボレ」で急襲した日本軍だが、この暗号の前にラジオは海外向けニュースに臨時の天気予報を流し「西の風、晴れ」と締めくくった。「日米が開戦した。重要書類を書き捨てろ」の意味だった▼NHK鹿児島支局の逸話が面白い。開戦にあたり戦意を高揚する勇壮な音楽を、と軍部が注文。あれこれレコードを聴き比べた担当者は気に入った曲をオンエアしたが、軍部は血相を変えた。選ばれた曲は、あろうことか「アメリカ国歌」だったという▼何事も駆け引きや策謀にはリスクが伴う。特に身内に方針や趣旨などが浸透していなければ逆効果にもなる。日本の歴代政権もこうした綱渡りの連続で、そして今も?▼国政も地方政治も総理大臣や首長が司令塔であるはずが、当人が混乱の種をまくケースも少なくない。選挙も若さなどの新兵器や奇襲作戦は効果的だが、やがて個人的大本営を築いてしまうなど資質が疑わしい司令官がいるようだ。(宏)

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