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衆院総選挙 再出発する覚悟を

2012年11月30日

主筆 藤山純一

 戦後67年がたった。20世紀から21世紀に、昭和から平成に世が変わった。この67年間で、陰りが出てきたとはいえ、敗戦の焦土から這い上がり経済大国となったものの、強固な官僚体制とは裏腹に、政治の世界は紆余(うよ)曲折を繰り返し、戦後日本は今、崖っぷちに立たされているといえよう。
 振り返ってみれば、保守合同で自民党が結成されたのが、トランジスタラジオが発売された昭和30(1955)年。社会党の再統一に刺激されての保守合同だったが、これ以降38年間、自民党が過半数を制し、社会党が野党第1党となる55年体制が続くことになる。
 その後、時代は激動のごとく駆け抜け、35(1960)年には新日米安保条約承認を強行採決、39(1964)年には東京オリンピックが開幕、新幹線の開通。44(1969)年には東大闘争で安田講堂に機動隊導入、翌年には日米安保条約が自動延長された。47(1972)年には多くの人々に衝撃を与えた、連合赤軍による「あさま山荘事件」が発生、学生運動は終焉(しゅうえん)に向かった。
 「政治とカネ」の問題も尽きない。41(1966)年に相次いだ政治家の不祥事・黒い霧事件をはじめ、あまりにも有名な51(1976)年のロッキード事件、63(1988)年のリクルート事件のほか、日歯連ヤミ献金事件など、「政治とカネ」の問題は「ざる法」との指摘がつきまとう政治資金規正法の改正を重ねても、なお後を絶たない。
 一方、政党の変遷は目まぐるしい。42(1967)年に公明党が結成されて以来、多党化の時代に。新自由クラブ、日本新党、新党さきがけ、新生党、新進党、社民党、自由党、民主党、保守党、国民新党、新党日本、みんなの党など、解党や合併を繰り返し、今もその流れは止まらない。
 そんな中で、政権与党の自民党は小泉純一郎内閣以降、リーダーシップを発揮できず、3代続いて1年交代の体たらくに。国民の信頼を裏切り続けて結局、平成21(2009)年の総選挙で国民の期待を一身に背負って民主党が圧勝、政権交代に至ったのである。
 ところがそれも束の間、選挙で公約したマニフェストはことごとく実現できず、昨年3月に発生した東日本大震災、福島原発事故での対応が後手後手に回り、国民を不安に陥れた。民主党政権も1年交代で首相が代わり、いつか来た道を歩み出したのである。
 衆院総選挙の投開票まであと16日。候補者擁立を予定している政党・政治団体は過去最多に上り、大乱戦の様相をみせる。今回の総選挙で求められているのは、世論調査でも明らかなように、経済の長期低迷で活力が失われていく社会状況の打破である。そして、戦後67年間に築いてきたわが国の国家体制や制度、政治形態からの脱却ではないだろうか。
 東日本大震災は戦後日本の歩んできた道に大きな警鐘を鳴らした。このことは、今回の衆院選にあたり、私たち国民一人ひとりに、もう一度再出発する覚悟を求めているように思えてならない。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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