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動き題した奈良市長選 爐欧鹵瓦甬箸凶か

2013年03月08日

論説委員 染谷和則

 選挙の出陣式など、ここ一番の勝負の日に赤や朱のネクタイを締める政治家が多い。赤色は熱意や情熱、さらには「できる人」をアピールできるなどとして、アメリカの政治家らに流行、日本の政治家たちがならったという説がある。2月28日に行われた安倍晋三首相の施政方針演説も赤色のネクタイだった。
 安倍首相といえば、昨年9月の総裁選出馬に向けた決起集会で犢盂朖瓩離ツカレーを食べ「庶民感覚に乏しい」など大手マスコミのバッシングがあった。しかし効果はてきめんだったようで、総裁選を制した後の衆院解散総選挙で自民党は大勝し、首相に就任した。カツカレーも赤ネクタイと同じく、政治家の験(げん)担ぎのひとつだ。
 いよいよ県都・奈良市の市長選が動き出した。仲川元庸市長(37)は5日、「改革を後戻りさせてはいけない。引き続き市政運営に当たらせていただきたい」と述べ、任期満了(7月30日)に伴う市長選に再選を目指して立候補することを表明した。 
 民主党が政権を担う前夜、平成21年7月の奈良市長選。同党の馬淵澄夫衆院議員が当時NPO役員だった仲川市長を担ぎ出した。民主の推薦を受けて仲川市長は自民、公明の両党が支援した元職を破り初当選を飾った。若き市長の誕生を多くのメディアが取り上げた。
 就任直後からたくさんの話題を提供する市長でもあった。本会議場でのガムかみ事件や女児殺害事件の追悼集会での赤いネクタイ着用、横須賀市への病院視察中の軍港クルーズ…通称名「げん」へのこだわり。市民が期待を寄せた若さは、幼さや稚拙という文字に変わっていった。
 奈良市長へと担いでもらった馬淵氏との関係は冷え込んでいる。自民に追い風だった衆院選の中、前回より得票数を減らしたとはいえ、県1区で勝利した馬淵氏は、個人の強さを証明したといえる。民主関係者は「なんとか勝ったが、仲川市長は何の応援もしなかった。恩を忘れ、一人で市長になった気か」。
 改革を旗印に市政を推し進めてきた仲川市長は「改革を逆戻りさせない」が出馬表明の際に語った言葉だが、逆戻りした方がいい部分もある。公務員すべてを敵視することや、「ハコモノ」をはじめ、予算要求の段階で河川や道路改修工事なども「悪」として先送りされているのは、多くの担当現場職員が「市民生活に影響は出ないか」と懸念している。
 一方で仲川市長を評価する声もある。「市民から頑張ってとお便りをもらって励まされることもあります」と仲川市長自ら披露してくれているし、民主党の市議は本会議場で「取り組んでこられた実績を評価しています」と。
 自民、共産の両党は仲川市政に対して明確に「ノー」を突きつけており、独自候補の擁立を目指している。ただ、反勢力の分散は、現職に有利にはたらくのが選挙の常識。仲川市長の勝算ビジョンはここだろう。
 長く底冷えした奈良の冬がやっと明け、春を感じさせる陽気になってきた。前回の市長選の爐欧鹵瓦瓩狼箸判个燭、凶と出たか―。結果が悪かった「験担ぎ」を続ける人はいない。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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