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徳洲会問題 納得し得る説明を

2013年03月15日

論説委員 黒田高弘

 生駒市立病院の指定管理者に決定している医療法人徳洲会での度重なる暴力団交際疑惑やスキャンダルが発覚した。今号で報じている通り、山下真市長は、徳洲会と市の病院事業との関連性は、暴力団との交際疑惑を理由に解任された前専務理事の医療法人徳洲会での地位と、指定管理の継続の2点のみとし、前専務理事はすでに退任しており、指定管理についても変更はないとの回答を得ており、「問題ない」としたが、問題とする部分はそこではない。
 医療法人徳洲会のグループで暴力団交際疑惑が報じられたことであり、交際疑惑があった前専務理事はすでに退任しているから問題ないというのは明らかに無理がある。指定管理者に決定後、2年半のうちに2度の疑惑発覚だ。市民が暴力団疑惑の残る医療法人に病院を任せることに不安を覚えるのは至極当たり前だ。
 「報道内容がどこまで真実かも分からないので、これだけ(報道内容)を基に判断するのは拙速」とするのであれば、徳洲会側に事実確認し、その真実を明らかにすることが指定管理者に指定した市の責務だ。スキャンダルを起こした前理事の問題についても山下市長は「仮に一部の役員に問題があったとして、現場の医療に対して患者の支持はあると思っており、指定管理者として、ふさわしくないと思わない」とするが、猩斥の飛躍瓩砲曚ならない。
 「マジョリティー(多数派)」の理論を出す山下市長。徳洲会が指定管理者として病院経営を進めていくことを不安視している市民は「マイノリティー(少数派)」であると力説する。議員の「不安視する声が寄せられる」との指摘にも、自分の耳には一切届いていないとばっさり。言っても仕方がないと考える市民たちが多く、「サイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)」の可能性もある。逆に、山下市長に近い市民が「マジョリティー」になっているとも考えられなくもない。
 このマジョリティー理論を引き合いに出させてもらえば、リニアック室の設置は、市民のマジョリティーではない。市病院事業計画でも、市民アンケートなどを基に、地域医療の拠点がなくなった状況の早期解消、小児科の2次医療病院不足の解消、2次救急医療の体制強化が、新病院の必要性として掲げられており、リニアック室の設置は市民要望とかけ離れており、マイノリティーと言わざるを得ない。
 たとえ、もし、本当にリニアック室の必要性が市民のマジョリティーであるとするならば、事業計画策定時に示されているはずで、「市民の意向を無視した、徳洲会のいいなり市政」と言われても仕方ない状況にある。
 不安の声が届かないのではない。現実的に不安の声は少なからず上がっており、徳洲会が指定管理者となって病院経営を進めていく上での不安要素を解消すればいいだけのことだ。
 3月議会での山下市長の答弁を聞く限りでは、市民の不安が解消されることはないだろう。マジョリティーを重視するのであれば大多数の市民が納得し得る説明をすべきだ。独善的な「論理のすり替え」は要らない。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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