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漁夫の利を許すな 仲川市長は利権屋か

2013年03月29日

論説委員 田村耕一

 奈良市議会の政翔会(浅川仁幹事長)が解散した。これまで同会に所属していた池田慎久市議が7月の市長選へ出馬表明したことによるものである。会派解散に伴い、浅川市議ら4人は奈良維新の会(山本進章代表)に入会したが、仲川元庸奈良市長はツイッターで「政翔会が解散、…さらに維新の会と連携…、どんなにカモフラージュしても…、利権しがらみのど真ん中に君臨してきた彼らの所業は隠し切れない。稚拙な経歴ロンダリングに騙(だま)されるほど市民も愚かではない」と批判した。この表現は穏やかではない。政翔会メンバーを利権集団と決めつけ、市長選の対抗馬として名乗りを上げた池田市議をもおとしめようとする意図が見える。
 議会をことさら利権や抵抗勢力と決めつけ、自分だけが正義とする構図は見飽きた。政治を劇場化し選挙戦をポピュリズム化して戦おうとする図式には食傷である。
 そもそも地方自治は議会制民主主義で成り立っている。議会を悪と決めつけ、自分だけが正義とするならば、独裁主義と言われても仕方ない。現に仲川市長の施政は、とりわけ市役所内部におけるやり方は、職員をして独裁者と言わしめている。政翔会を擁護する意志はないが、「利権しがらみのど真ん中に君臨してきた彼らの所業」とは具体的にどのようなものなのか。明確な根拠と事実があるのであろう。市民はもとより小欄としても、ぜひ知りたい。
 日頃、情報公開を標榜(ひょうぼう)している仲川市長である以上、ここまで言ったのだから、その事実は開示しなければなるまい。いかがか。
 一方、議会筋からは「市民税の1%をNPO法人に交付しようと躍起になり、2度議会提案し、2度否決されたのにまだゴリ押ししようと企図している。本人こそ、利益誘導とNPO利権の権化だ」あるいは、「マニフェストにこだわり続け、市政を私物化している姿を利権とは言わないのか」との声がある。いずれの主張が正しいかはあえて言わないが、県都奈良市の正常化は急務とだけ述べておこう。
 この奈良市、次の市長選は仲川市長と池田市議との一騎打ちかと思われていたところ、浅川清仁県議がみんなの党から日本維新の会の推薦を受け出馬表明した。同氏の出馬理由は、次期県議選に対する自己都合からと断じる県議もいるが、本意はよくわからない。ただ、同氏の後援会は寝耳に水で混乱し、出馬を否として最高幹部が辞任したという。さらに地域後援会の半数ぐらいが後援会離脱を表明したという情報もある。そもそも、後援会が今回の出馬を否定するのは異常事態と言わなければならない。
 だが、同氏の出馬表明を受け一番迷惑しているのは旧政翔会メンバーだろう。心情的には池田市議を応援したいが、上部組織からの締め付けがある。そこに浅川県議から「クリーンセンターや火葬場移転はゼロから見直す」などと過去の経緯や合併特例債活用の事情を理解しないまま無責任な発言をされては応援のしようもない。さて、誰を市長に選ぶかは市民の判断だが、「漁夫の利」となってからでは遅い。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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