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[2014年07月14日]

 日本民俗学の開拓者で、近代日本を代表する思想家でもあった柳田國男が亡くなって今年で52年。彼は自らの足で各地を巡り、生涯をかけて「日本人とは何か」を問い続けた▼代表作の『遠野物語』では、岩手県遠野町(現遠野市)出身の小説家で民話収集家の佐々木喜善から聞き取った民間伝承をまとめている。物語の内容は河童や座敷童子、山人やマヨヒガ、神隠し、さらに地元の言い伝えや行事など多岐にわたる▼没後50年が過ぎ、版権が切れたこともあって最近では現代の作家により『遠野物語』がリメークされている。物語は柳田の残そうとした思いを受け継ぎ、形を変えて次世代へと伝えられようとしている▼1300年の歴史を誇る奈良。約60年、猿沢池のほとりで舞芸子を務め、奈良を見守ってきた女性は「ここにはつないできた歴史や文化がない。都があった頃から時が止まっている」と語る▼景観保全のために制限を設けたり、マスコットキャラクターのデザインや平城宮跡の緑地舗装に反対するなど、1300年前の状態を維持するための反対運動が盛んに行われる奈良。自ら動くことなく、維持するだけでは1300年間を受け継ぐことはできない▼歴史や文化を守り伝えていく手段は、現状を維持することではないだろう。形を変えながらでも今を生きる私たちが「奈良人とは何か」を追い求め、奈良ならではの歴史や文化を次世代へつなげていくべきではないか。(昌)

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