悠言録

トップ悠言録一覧 > 悠言録

[2015年01月23日]

 子どもの声は騒音なのか。「子どもの声がうるさい」と訴える人が増えているという。昨年9月には神戸市内の保育園を相手取り、近隣に住む70歳代の男性が防音設備の設置や慰謝料の支払いを求める裁判を神戸地裁に起こした▼「子どもらの声や太鼓の音などは騒音で、神戸市が工場などを対象に定めた規制基準を保育園にも適用するべきだ」と主張、家族の会話やテレビ、ラジオを聴くのに支障が出ていると訴える▼奈良市内のある小学校校長も「運動会でのマイクの声や音楽が近隣の人たちに迷惑をかけていないか気を使う。問題になると困るのでこっそりボリュームを下げる」という▼子どもをターゲットにした犯罪が多発している上、グラウンドや公園で思いっきり遊べない子どもたちを思うとあまりにもやり切れない。自分の環境が静かに穏やかに保つためなら、いま育っている子どものことなど、どうでもいいのだろうか▼子育てに多くの人が関わり、子どもを元気に外で遊ばせることこそ、未来の健全な社会を築くことにつながる。そのために大人の責任として事故や犯罪に子どもたちが巻き込まれないよう見守るのである▼スポーツに汗を流す子どもの歓声がうるさいという一部住民の声を聞き入れ、極めて不便なところにグラウンドを移転しようとしている首長の心境も全く理解できない。大人としての責任すら放棄しているのではないか。(純)

  • 凛と咲く〜輝く女性たち
  • バックナンバー購入のご案内
  • 会社情報
  • お問い合わせ

ホームニュース論点悠言録

バックナンバー購入会社情報お問い合わせ

当サイトに掲載の記事・写真・図版などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権並びに国際条約により保護されています。

Copyright Nara Nichinichi Newspaper