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V2の「雪丸」 ふるさとを誇りに

2015年02月06日

主筆 藤山純一

 平城遷都1300年祭が開催され、年間約4500万人の観光客が奈良を訪れた平成22年から4年が経った。県内各地で行われたイベントに県外から多くの人が参加し活気に満ちた年となった。
 しかし、その後は平成24年から記紀万葉プロジェクトがスタートしたものの、奈良を訪れる観光客数は25年で約3547万人。残念ながらこの数字は京都の半分、観光庁の39都道府県調査でも観光立県を標ぼうしながらも25位に甘んじている。宿泊者数も248万人で、観光客の7%にも満たない。
 ご存知のように、県内の宿泊施設の客室数はこちらも京都の半分で、全国最下位。一方、客室稼働率はさぞ高かろうと思いきや平成24年で44・6%。京都(68・3%)を下回り、さらに全国平均(55・2%)にも届かない、ワースト7位だ。25年6月直前1年間の稼働率も奈良市で59・5%、京都市の78・6%にはるかに及ばない。
 最近は円安、ビザの発給緩和などで外国人の観光客が増加、25年は前年の1・6倍に。県では32年の東京オリンピックの年が、記紀万葉プロジェクト最終年の日本書紀編さん1300年にもあたることから、同年を目標に宿泊産業の育成・支援や食・土産物の充実、観光の環境整備など10の柱について戦略的に取り組もうとしている。
 荒井正吾知事には引き続き精力的にこれらの取り組みを推進していただきたいが、継続的に観光客誘致を図るには何よりも県民皆さんのおもてなしの心が大切ではないか。そして、県外から観光客を招き、心温まるもてなしをするには、私たち県民がまず奈良の素晴らしさを実感することが必要だろう。
 日本のふるさと奈良。わが国のあらゆるものの発祥の地が奈良とするならば、まず私たちが奈良の誇りを取り戻し、プライドを持つことである。
 本紙の「第2のせんとくんを探せ! 第5回県内ゆるキャラ大集合&大投票」で王寺町のマスコット「雪丸」が2位以下を大きく引き離しV2を達成した。昨年の「全国ゆるキャラグランプリ2014」で見事11位と大健闘した実績もある。
 「元旦に雪丸が鳴くと豊作になる」と語り継がれる聖徳太子の愛犬「雪丸」。推古天皇が建てた達磨寺には雪丸像が造られ、王寺町民に愛されてきた。ゆるキャラは町商工会で生まれ、平井康之町長の陣頭指揮のもと、精力的にPR活動を展開。ふるさとの誇り「雪丸」が一挙に脚光を浴びることになった。
 大投票締め切り間近の先月末。続々と届けられる「雪丸」のはがきやファクスに「ふるさとをみんなで盛り上げよう」という意気込みがビンビンと感じられた。昨年10月には「雪丸」の童話『聖徳太子と愛犬雪丸のものがたり』も出版、物語性を帯びてより身近な存在として浮かび上がってきている。
 できれば「聖徳太子」というあまりにも有名な人物を取り上げ、そのゆかりの寺である法隆寺、信貴山朝護孫子寺、達磨寺を巡るストリー性のある旅を企画してはどうか。もちろん、その地の人が誇りを持って出迎えることを忘れずに。

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