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県会、統合できない自民会派 役選は新たな禍根へ

2015年05月15日

論説委員 染谷和則

 統一地方選から早くも1カ月。県議会の新たな議長、副議長が18日に選出される。この役選をめぐって、いつも通り自民党が混迷している。最大会派の「自民党」(11人)と第2の勢力を持つ「自民党奈良」(9人)の溝は深い。新たに「自民党絆」(2人)なる会派まで誕生し、改選後、自民の分裂はさらに進んでおり、役選は新たな禍根を残す可能性をはらんでいる。
 注目される役選だが本紙の取材では、議長に川口正志、中村昭、中野雅史、井岡正徳の4氏が軸になると見られている。毎度、役選の主人公となっている「自民党」の重鎮、米田忠則氏が主導権を握った場合は中野、井岡の両氏のいずれかが議長。自らそのポストを手に入れたい考えもある川口氏が主導権を握れば川口、中村の両氏のいずれかになる可能性がある。
 今回の役選、鍵を握るのは「維新の党」になりそうだ。川口氏に近い県議もおり、「自民党奈良」「自民党絆」「創生奈良」「維新の党」の4派連合を組むことができれば、完全に役選の主導権を掌握する。
 ただ、川口氏を議長とする場合、自民系2会派がこれに同調するのはどうか。また隣の大阪府・大阪市では激しい対立の攻防を続けている自民と維新だが、奈良の自民党籍を持つ県議らが維新と役選で手を結ぶのもどうか―。これらの政局が県民の目にどう映るのか難しい判断を迫られる。
 改選前、自民県連の奥野信亮会長は御所市を除く15の選挙区で、公認候補を20人、推薦候補を4人擁立。定数44のうちの過半数の議席を獲得することを目標に掲げた。また奥野会長は「選挙後に2会派(当時、自民党と自民党改革)に分裂している会派を統合する。できなければ会長を辞する」と犖約瓩魴任欧拭宗
 しかし、既に公約違反。統合とは逆行して3会派に分裂する始末で、奥野会長の意気込みとは裏腹に、県議会の現場ではまったく意思が反映されていない状態。奥野会長のリーダー力や影響力には批判も出ている。
 また批判は党4役へも。会派が3分裂していることに対する本紙取材に「それぞれの判断で会派を作られたということ。それ以外私はわかりませんなあ」と他人事。役員就任時に「会長を支え…」が、いかに絵空事の発言だったか思い知らされる。
 新たに組まれた自民第3の会派名には「絆」の字が。東日本大震災後、人と人との結びつきの意で広く使われるようになった。この会派名に込められた意味もきっとそうだろうが、広辞苑には「馬・犬・鷹など、動物をつなぎとめる綱」という意味も記されている。
 まさか狠か瓩法△弔覆とめられているなんて意味ではないと思うが、自民県連の奥野会長が掲げた公約と逆行する新たな会派の名が「絆」というのは、各方面で「自民は本当にバラバラ」と指摘されている。
 来夏には参院改選が控えている。前回、12年ぶりの議席奪還となった自民は、連勝を目指し、新たな候補者を擁立したい構え。時間はない。改選を経ても、自民はなお、大局的な見地に改まらない。

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