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橿原市長選 保守分裂で新たな火種

2015年08月21日

論説委員 黒田高弘

 平成19年の橿原市長選で19188票を獲得し、当時現職の安曽田豊氏に約900票差の大接戦で勝利し、初当選を果たした森下豊氏。2期目を目指した23年の同選では共産推薦の無所属候補に2万票の大差を付け、圧勝。着々と実績を積み重ね、6月市議会では「8年で積み上げて来て、いよいよ形が整った」「2期目の終わりに今の環境が整ったことは自分で100点満点を付けたい」と自信をのぞかせ、3選出馬を表明した。
 当初は無投票3選の可能性も目されたが、これに「待った」をかけたのが、地元選出の元県議で副議長や党県連の要職も歴任した神田加津代氏。神田氏は、市が進める近鉄大和八木駅南側のホテル・市役所分庁舎建設事業に反対の意思を示し、事業の白紙撤回を掲げており、同事業の是非が次期市長選の最大の争点になるとみられている。
 平成23年6月24日付け本欄で「南部の将来背負う核 橿原市長選まで半年」と題し、こんな記事を書いた。
 「4年前の秋、副県都に“大和三山おろし“が吹き荒れた。3期12年務めた現職の安曽田豊氏(当時)の想定外の敗北、そして当時橿原とはほとんど無縁だった森下豊氏の当選。保守的だった副県都は一気に改革路線に舵(かじ)を切った。
 伏線もあった。安曽田市政ではし尿処理場およびごみ焼却場の建設、近鉄大和八木駅前整備という三大事業で議会と議論を繰り返した。
 (中略)自民分裂も“安曽田4選“に大きな影響を与えた。両者とも推薦などは受けず無党派を強調したものの自民の田野瀬良太郎衆院議員が安曽田氏をバックアップ、一方の森下氏には前田武志参院議員ら民主議員が付くなど、「田野瀬VS前田の代理戦争」とも揶揄(やゆ)された。
 そんな中で、森下氏と近しい自民県議数人が森下氏を応援。保守分裂は票に如実に表れた。最終票は、森下氏が1万9188票、安曽田氏1万8262票で、その差はわずか900票。自民が一枚岩で安曽田氏を支援していればこの結果にはならなかったかもしれない」
 8年前の「安曽田VS森下」から「森下VS神田」へ―。顔ぶれは変われど、対立構図はほぼ同じ。神田氏は自民党橿原市支部の推薦を取り付けてはいるものの、自民は一枚岩ではない。むしろ8年前よりも、狄慌嫉抻瓩魴任欧觴民党支持者は多いとも言われている。
 4年前の同市長選で、森下氏への対抗馬を立てることができなかった過去もある。田野瀬良太郎衆院議員(当時)が数人とコンタクトを取ったものの、最終的に擁立することができなかった。その際にも自民内で対抗馬を立てる、立てないで内輪もめがあった。
 猜歇虔裂畫挙―。言葉にするのは簡単だが、分裂後のしこりは自民党という大組織に大きな影を落とす。党県連は先月25日、奥野信亮会長の続投を決めた。奥野氏は前任期で県議会の会派一本化を掲げたものの失敗。改めて対応が問われている。副県都の猜歇虔裂畫挙が新たな火種にならないことを祈るばかりだ。




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