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仲川奈良市長 わがままは許されない

2015年09月25日

主筆 藤山純一

 あまりにも無責任で短絡的すぎないか。先日、最終回を迎えたテレビドラマではないが「役人は市民の役に立ってこその役人」、その役人のトップである首長が自分勝手で思いつきでは市民はもちろん仕える職員も迷惑千万だ。
 奈良市の仲川元庸市長のことである。いったいどちらを向いて行政に携わっているのか、市民の生活を豊かにし守っていくのが首長の役割ではないのか。そのために市民から納められた税金を使うのだ。自分のわがままのために使われたとしたら、市民は黙っていないだろう。
 今回の問題が表面化したのは、仲川市長が今年度から、ならまちセンターの1階スペースのみを市総合財団(理事長=津山恭之同市副市長)からの管理・委託運営を取り上げ、市の直轄管理にしたことからである。昨年秋には同センター1階の企画展示コーナーを市民から取り上げた経緯もある。
 その発端が平成25年4月にリニューアルオープンした佐賀県の武雄市図書館にあるといわれる。当時の樋渡啓祐市長とも懇意だった仲川市長がこの内覧会に出席し、指定管理者のレンタル・大手チェーン、TSUTAYAを展開する会社の関係者とも会っているとみられる。
 その後、どのような経緯で今の事態に至ったのか、取材を続けるが、同センターには図書館があること、飲食店の誘致や情報発信の役割を担うなど、武雄市の取り組みをまねしようとしたと言われても仕方がない。結局、思い通りにいかなくなって今のような中途半端な事態になったというところではないか。
 図書館関係者の話によると、現在の武雄市図書館は、前面にカフェがあり、次に書店、一番奥に図書館がある。結局、カフェや書店がもうかり、図書館の利用者は減ってくるのではないかと指摘する。また先日、指定管理業者が約2年半前の新装開館の際に納入した約1万冊の中古本のうち、一度も市民が借りていない本が計1630冊もあると明らかにした。
 行政が民間企業の知恵と力を借り、市民のために施設の有効利用を図ることは大いに歓迎である。しかし、民間企業は利潤を上げてこそ存立する。もうからないことには滅びていくしかない。行政はその厳しさを十二分に認識した上で、「市民のため」という視点で共に取り組んでいくことが求められる。
 ところが仲川市長の場合はどうだ。同センター1階の運営計画事業をプロポーザルで落とした業者と事前に会ったり、その内装工事をこの業者と随意契約したり、このため追い出した飲食店に「迷惑料」まで税金で払っていたことが分かった。
 それも市直轄事業になったことから追い出されたのに、この「迷惑料」は市総合財団から支払われており、まさに財団を隠れみのにした行為ではないか。また、「迷惑料」を市が払ったということは、まさに市の不手際を認めている行為で、仲川市長の犲裟瓩凌拭いに税金が使われたことにほかならない。
 自分のやりたいことは強引に推し進めていく。仲川市長のわがままをこれ以上許してはならない。

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