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泥仕合の橿原市長選 冷静に価値ある1票を

2015年10月23日

主筆 藤山純一

 県内交通の最大の要衝といえば、近鉄大和西大寺駅と大和八木駅ではないだろうか。県北部の大和西大寺駅に対して中南和を代表するターミナルは大和八木駅だ。
 近鉄橿原線で北へ向かえば奈良、京都、南へは橿原神宮から吉野に達する。西へは大阪線で鶴橋、難波を経て阪神電鉄で神戸三宮まで。東へは伊勢・賢島、名古屋に至る。
 藤原京、明日香、吉野に広がる観光資源への起点となるのがこの大和八木駅である。その最大の課題が同駅南口の土地区画整理事業だった。当時、この南口周辺は道路幅も狭くモータープールや居酒屋などが雑然と並ぶ県中南和の玄関口とはとても言えない現状だった。
 それをようやく昭和63年から約20年かけて約2・6任砲錣燭辰徳躬業費約78億円を投入し整備、雑然とした街並みや広大なため池が横たわっていた所が、見事、公共用地と宅地に猜竸鉢瓩靴燭里任△襦
 近鉄大和西大寺駅や近鉄郡山駅、JR郡山駅など、全く駅前整備が進んでいないところに比べ、大和八木駅は年月は費やしたものの大きく前進したといえよう。そしていよいよ具体的な施策として橿原市が市役所分庁舎とホテルの複合施設を建設しようとしたところ、25日に投開票される市長選の最大の争点として浮上したのである。
 当然、市ではこれまで土地区画整理事業を進める一方、平成13年からその活用を設け検討、地下駐車場の建設や土地活用における自由な提案を公募、さらには公共公益施設とホテルとの複合施設の公募に踏み切ったが、応募があったもののいずれも成約には至らなかった。
 そこで苦肉の策として出てきたのがPFI事業、すなわちプライベート・ファイナンス・イニシアティブ(Private Finance Initiative)である。
 すでに本紙(9月18日付)で詳しく報じているが、同事業は公共施設などの建設、維持管理、運営などを民間の資金、経営・技術的能力を活用して行う新しい手法。地方公共団体などが直接実施するよりも効率的かつ効果的で質の高い公共サービスが提供できる事業について実施されるものだ。
 このため市は、市役所分庁舎とホテルの複合施設建設にこの手法を活用することとし、昨年7月、民間事業者の募集を行い、12月に大林組グループを優先交渉権者に選定、今年3月、PFI八木駅南市有地活用株式会社と契約し、平成30年4月の施設供用開始を目指すことになったのである。
 税金を投入しホテル誘致の経済効果で橿原の活性化を目指す現職の森下豊氏。総額100億円近くを使うのは税金の無駄遣いだと指摘する新人の神田加津代氏。選挙終盤に来て、怪文書が相次いでばらまかれ、ビラ合戦の泥仕合の様相だ。
 相手陣営の応援演説をした国会議員にその発言について対立候補が、抗議と撤回を求める抗議文を送付するという事態まで発展している。地域の活性化を願うのは誰しも同じ。有権者には冷静になり価値ある一票を投じてほしい。

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