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山下前市政からの脱却を

2016年04月15日

論説委員 黒田高弘

 約20年もの間、置き去りにされてきた学研高山第2工区が、生駒市が約3億4000万円でUR所有地を購入することを決定し、ようやく歩を進めた。猖困譴蕕譴疹貊雖瓩砲茲Δ笋光が照らされたが、その事業実現は前途多難な様相だ。
 土地購入は決定したものの、工区のまちづくりについて市は将来像は示したが、事業手法や採算性の議論はこれから。加えて工区内(約288如砲裡妝匳衢地(約132・5如砲六矯澆靴討り、今後、土地区画整理事業を実施するにしても地権者約850人との交渉が待ち受けている。市単独事業でできるまちづくりではない。
 そもそも高山第2工区の開発は、今から22年前の平成5年8月に県からの陳情、生駒市からの要望を受けてスタートした。翌年2月にはURを事業主体に、県、生駒市の3者で「開発整備に関する基本協定」を締結。12年に都市計画決定がなされ、共同して土地区画整理事業に着手し、URは用地買収費、固定資産税、利息などで約1000億円を投入した。
 事態が大きく動いたのがちょうど10年前。18年の山下真氏の生駒市長選初当選である。これまでの経緯を無視し、事業協力を「白紙撤回」。市の要望により国、県も動いた国家的プロジェクトにもかかわらず山下氏は「計画案を作成する立場になく、ノウハウもない」とし、「現状のまま残す」とつっぱねた。
 当時、知事だった柿本善也氏は、県議会で粒谷友示議員の質問に答え、「(山下)生駒市長は基本協定を努力義務とするが、協定に基づきURが用地買収などを進めてきたことなど事実経過を踏まえると、3者の間には信義則が働いている」とくぎを刺したが、山下氏の猖汁瓩麓まらず、19年7月、URが事業中止を決定。その後の県主導による「大学を中心とした高山第2工区のまちづくり」における手のひらがえしも今号で報じた通りである。
 国、県を狹┐鵬鵑靴伸畛害嫉瓩郎鯒4月、知事選にくら替え出馬したものの敗戦。知事選出馬にあたっては、「市政に特に大きな懸案事項はない」と言い切ったが、指定管理者を徳洲会とする「市立病院」はまもなく開院1年を迎えるが、患者数は当初計画の約半分で、病院内は閑散としている。
 市が住宅地として売却を目指していた「北大和グラウンド」についても、県が「市街化編入」を認めず頓挫状態。同グラウンドの売却益で整備するとしてきたHOS生駒北スポーツセンターは見切り発車での運営となっており、開発中止を訴えてきた地元自治会は今年1月、仮処分申し立てを奈良地裁に提出。そして学研高山第2工区…。
 山下市政誕生から10年―。その功罪がいよいよ明らかになってきている。これまでの山下氏の猖汁瓩鮖澆瓩蕕譴覆った議会の責任も極めて重い。小紫市政も2年目に入ろうとしている。高山第2工区では山下氏の「白紙撤回」を撤回した。今こそ山下前市政の「継承」を見直し、「脱却」を高らかに宣言すべきだ。さもなくば、過去のいきさつも含め、国、県の協力は得られないだろう。

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