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2017選挙戦 波乱含みの首長選挙

2017年01月06日

論説委員 黒田高弘

 相場格言にえとにちなんだ「申酉(さるとり)騒ぐ」がある。申年と酉年は株価の値動きが荒い年になるということを意味する。4日に行われた東京証券取引所の大発会では、日本取引所グループの清田瞭最高経営責任者が「相場格言通りであれば、今年も騒ぐことになる。良い意味で騒がしい一年になってほしい」と期待感を示した。
 毎年、新年交歓会などでは、えとにちなんだあいさつをする経営者や首長が多くみられる。昨年は、橿原商工会議所と橿原市経済倶楽部の新年賀詞交歓会で、森本俊一同商議所会頭が「『申』ににんべんを付けると『伸びる』という字になる。日本が伸びる1年になれば」、森下豊橿原市長も「『申』にしめすへんを付けると『神』になる。神様に守られた1年に」とそれぞれ期待を寄せた。
 東京都の小池百合子知事は仕事始め式で、えとを踏まえ「鳥の目で全体を俯瞰しながら、より良い東京をどう創り上げていくのかを考えていただきたい」と訓示。今夏には都議選を控え、候補者擁立の準備を進めるなど「飛ぶ鳥を落とす勢い」の小池氏だが鳥のように大きく羽ばたくことができるか。
 県内では今年、11市町村で改選を迎える。自身も改選を迎える小城利重斑鳩町長は「何かが起こる。平穏にはいかない」と今年の県内選挙を分析。昨年は、葛城市と三宅町で現職首長が新人候補に負けるというまさに「鳩が豆鉄砲を食ったよう」な波乱があったほかは、無投票当選または町長辞職に伴い新人が当選。現新の一騎打ちは高取町長選のみだった。
 昨年以上の波乱が今年は起こるのか。これまでのところ11市町村のうち、すでに現職が出馬を表明しているのが8市町村、対抗馬が奈良、大和郡山市の2市でささやかれている以外に目立った動きはない。
 中でも、最も注目を集めるであろう奈良市長選挙。現職の仲川元庸氏はいまだ3選に向け出馬表明はしてないものの、おそらく3月議会で表明するものとみられる。
 仲川氏が再選を目指し立候補した前回選挙(平成25年)では、仲川氏をはじめ過去最多の7人が乱立。5万5154票を獲得した仲川氏が再選を果たした。結果だけをみれば仲川氏の勝利だが、仲川氏以外の6人はすべて選挙期間中、現職批判を繰り返してきており、反現職票となると11万7341票と仲川氏の得票の2倍以上に上る。
 また同選挙では、自民党が一枚岩になれず、自公推薦の森岡正宏氏、前市議(現県議)の池田慎久氏、みんなの党推薦の浅川清仁氏で保守票が分散、浅川氏は自民を離れみんなの党の推薦を得ての出馬だったことから差し引いたとしても、森岡、池田両氏の合計得票は6万2892票となり、自民が一本化を図ることができていれば、「仲川氏再選」のシナリオはなかったことになる。
 次期市長選でも仲川氏の再選を阻止すべく、対抗馬の乱立が予想されている。前回選挙同様、仲川市長に「鴨がねぎを背負ってくる」ことがないように、有権者はきちんと判断を下すことが求められている。

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