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「外」からの奈良の魅力 能力より「つながり」

2017年03月24日

記者 澤口 直

 奈良は狃擦爿瓩砲呂いい箸海蹇宗8内在住者から何度か耳にした言葉だ。私自身も県出身だが、そのように感じるところは多分にある。
 県外就職率の高さは29・9%で全国トップ(平成22年度国勢調査)。県外消費支出割合も15・2%(総務省「平成26年全国消費実態調査」)と同じくトップ。奈良県はベッドタウンで、消費も外向きであることが読み取れる。
 観光面ではインバウンド(訪日客)がけん引し、奈良を訪れる観光客は年々増えるが、半数以上が日帰りで消費額はいまだ低い。原因は宿泊施設の少なさと、多くの日帰り客はパッケージ化された商品のような「大仏と鹿」を見て満足することが考えられる。東大寺と奈良公園の散策だけなら、近鉄奈良駅から徒歩でも2時間あれば足りる。
 ネガティブな側面ばかり挙げたが、今回の1・2面で紹介した4人は県外出身者ながら、奈良での生活を気に入ってくれている。取材した動機は移住者のフィルターを通して、我が県の魅力を知りたかったからだ。
 住んでる場所も仕事も異なる4人の意見を多少乱暴にまとめると、「自然のバランスの良さ(程よい田舎)」という環境的要因。「最初は警戒されるが、仲良くなればすぐに距離が縮まり関係が広がる」という人的要因が魅力に挙げられる。
 神奈川県出身の編集者・赤司研介さんは人との関わりについて「都会だと一期一会で終わることもあるが、田舎はその後もつながるので、いい加減なことはできない」と話す。人に支えられて生き、自分もまた誰かを支え、周囲には考えの近い人が集まる―。
 安倍内閣が肝いりで進める「地方創生」。人口減少が進む県南部地域でも、GOJOチャレンジの木村航さんら若者が動き出している。五條の活性化に取り組む大和社中の山本陽一理事長をはじめ地域住民が、爐茲充圓僚乎牒瓩鮗け入れた「懐の深さ」は見過ごせない。地域の有志で結成されるまちづくり団体は高齢化が進んでいると聞くが、内外のアイデアをミックスさせて、少しでも良い方向に進めようと動く地域もある。 
 だからこそ移住者は地域のために何ができるか知恵を絞り、ニーズも調べなければならない。木村さんは五條名産の柿について「地元の人は大したことないと言うが、外部の人にはとても魅力的」と力を込める。GOJOチャレンジが野菜などを卸す東京のレストランでは、味に感動した客から問い合わせを受けたケースもあったそうだ。
 安いモノを礼賛する消費者ばかりではない。「誰が」「どこで」「どのように」作られたか、ストーリーを重視して買う層も増えている。PR次第では今ある素材を活用し、新たな雇用を生み出せるチャンスだろう。
 移住者は個の能力だけで生活している訳でなく、地域住民やクライアントと緊密な糸で結ばれ、活動を広げていく。もしかしたら狎舷茲瞭猯豹有甍幣紊忘付いているかもしれない。移住者だからそれができる、と言ってしまえばそれまでだが、県民としてあらためて奈良の良さを見つめ直したい。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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