論点

トップ論点一覧 > 論点

奈良市政 市民に対する忖度を

2017年03月31日

論説委員 黒田高弘

 国会では「忖度(そんたく)」の言葉が飛び交い、早くも今年の流行語大賞との呼び声も高いが、奈良市にあっては「忖度」はどこ吹く風だ。
 「忖度」とは、相手の事情や心情に思いを寄せること。日本特有の美しい言葉であり、言わば犹廚い笋蠅凌喚瓩覆錣韻世、奈良市では仲川元庸市長と議会が思いやりどころか、いがみあいの泥仕合の様相を呈す。
 平成28年度予算で否決された事業を新年度事業で再提出するという仲川市長の意固地さにはまったくもって恐れ入ると言わざるを得ない。どういう心境を持って新年度予算では同事業が通過すると思ったのか。議会が怒りを表すのもうなずける。
 一度は否決された新斎苑整備事業の調査費などが昨年12月議会で賛成多数で可決されたことから、高をくくってしまったのか。結果的には、総額約1277億円の29年度一般会計予算案は委員会で反対多数で否決され、仲川市長は撤回を表明。臨時会を招集した上で、12項目約1億3800円を減額した修正案を提出し、ようやく可決をみた。混乱を招いた市政運営に仲川市長は反省すべきだ。
 浅川仁議長は「7月に改選を控えており、骨格予算にすべきであり、できるだけ市民生活に影響が出ないよう議会が配慮した結果」と仲川市長の一連の対応を厳しく批判。「議会軽視もはなはだしい」とし、新たなリーダーを望む声も議員からは上がる。
 だがその一方で、市民からは「骨格予算にすべきだと言いながら、1億3800円の減額修正案を可決した理由がわからない」「減額要求された事業がなぜ議会がそこまで批判するのかがわからない」といった議会に対する不満の声も漏れ聞こえる。犒嘩両成敗瓠宗5腸颪六堋垢寮睫誓嫻い魑瓩瓩襪、議会としても市民に対する説明責任が必要不可欠だ。
 このような状況の中で、3カ月後には市長、市議ともに改選を迎える。前回選挙では、再選を目指す仲川氏に対し、元衆院議員の森岡正宏氏=自民推薦=、前市議の池田慎久氏、元市議の中村篤子氏=共産推薦=、前県議の浅川清仁氏=みんな推薦=、前市議の天野秀治氏、元国交省職員の大野祐司氏の新人6氏が挑む構図となり、自民党が一本化を図れず仲川市長が返り咲く結果となった。
 次期市長選にはこれまでのところ、仲川市長を含め出馬表明者はいない。修正予算の可決により仲川氏の3選出馬の可能性が膨らむ一方で、今予算案に関し委員会否決した民進党系議員で構成される改革新政会が、これまでの狄道堋糠畢瓩隆を降ろしたことにより、民進党が元生駒市長の山下真氏を担ぐという、まことしやかな臆測も流れる。さらに、自民としてもこれまで仲川市政に対し批判を繰り返してきた経緯からも、対抗馬擁立を模索する必要があり今後、風雲急を告げそうだ。
 「行政と議会は車の両輪」とはよく言ったものだが、両輪がうまく回らなければ車は前へは進まない。それはすなわち市民生活に直結する。市民への忖度のない市長や市議は次の選挙で辞めてもらうべきだ。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
  • 応援しよう地元の バンビシャス奈良×奈良日日新聞 奈良日日新聞はチーム準オフィシャルメディアです
  • 奈良日日新聞 購読・購入のお申込み
  • 広告のご案内
  • 奈良日日新聞 会社情報


  • ならにちホームページガイド
  • つぶやきで奈良をもっと楽しくしよう!ツイ奈良交流会

ホームニュース紙面内容紹介論点悠言録

購読のお申し込みバックナンバー購入のご案内広告のご案内会社情報個人情報保護

当サイトに掲載の記事・写真・図版などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権並びに国際条約により保護されています。

Copyright Nara Nichinichi Newspaper