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奈良市長選 どうする自民党県連

2017年04月28日

主筆 藤山純一

 東日本大震災について「これは、まだ東北で、あっちの方だったから良かった。もっと首都圏に近かったりすると、莫大(ばくだい)な甚大な被害があったと思う」。さらに福島第一原発事故で今も帰れない自主避難者について国が責任を取るべきでは、との問いに対して「本人の責任でしょう。(不服なら)裁判でも何でもやればいいじゃないか」。
 あの多大な被害を出した東日本大震災について「まだ東北で良かった」とは、被災者を愚弄(ぐろう)するにもひどすぎる。それも自民党の今村雅弘氏は復興大臣という立場にありながらである。ほんとうに東北の被災者と向き合ってきたのか、極めて疑問だ。
 亡くなった多くの人はもちろん、今も家に戻れない、ふるさとに帰れない人がいるというのに今村氏は誰と向き合ってきたのか。復興大臣は辞任したが、被災者の思いも分からない政治家は議員をも辞職すべきだ。
 ましてや福島原発事故は災害ではなく人災ともいわれている。「原発神話」を煽(あお)り、推し進めてきたのは間違いなく国である。震災時の対応も十分にできず、多くの人がふるさとを離れなければならなくなった。この責任は国以外にどこにあるというのか。
 とにかく自民党の政治家の言動が軽すぎる。昨秋、台風の被災地を視察した際、長靴を持参せずに政府職員におんぶされた内閣府政務官兼復興政務官(当時)の務台俊介氏は、今年3月、「政府が持つ長靴がえらい整備された。長靴業界はだいぶもうかったんじゃないか」と発言。被災地に寄り添わない復興政務官なんて言語道断だ。長靴を忘れたなら、裸足で歩けばいい。それこそ被災者の痛みが分かるのではないか。
 今月16日にも観光振興をめぐり山本幸三地方創生大臣が「一番がんなのは学芸員。普通の観光マインドが全くない。この連中を一掃しないと」と発言。学芸員の仕事を全く知らない人物が学芸員を批判することこそ大問題だ。あまりの無知ぶりに開いた口がふさがらない。
 それにしても安倍政権での要職者の相次ぐ「問題発言」に安定多数に安住し真剣さを欠いた姿勢が垣間見える。特に今村氏は1度ならぬ2度にわたり失言を繰り返し、それをかばった安倍首相の責任は重大と言わざるを得ない。緊張感のなさは、政治不信を強め、国政の停滞が心配だ。
 県都・奈良市の市長選も告示まで2カ月余りとなった。にもかかわらず自民党県連は候補者も立てられず、候補者選びは混迷の一途をたどっている。奥野信亮県連会長は、官僚を含め2、3人に打診するというが、「まだそのような状況なのか」と県連の市長選に取り組む姿勢が本気なのか疑いたくもなる。
 27日夜も奥野会長を囲んで議論したようだが、現職の仲川元庸市長、山下真前生駒市長は立候補に向けて秒読み状態とも聞く中、政権与党の自民党が地方行政とはいえ、県都の首長選に候補者も立てられないようでは県連役員の手腕が問われよう。前回の奈良市長選では、自民党系候補が一本化されていれば、確実に当選したとみられる。どうする自民党県連。

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