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奈良市長選 執行部の責任免れず

2017年05月12日

論説委員 黒田高弘

 「おごれる者も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」。有名な軍記物『平家物語』の冒頭の一文だ。これは仏教の「諸行無常」を説き、あらゆるものは「常ではない」ことを伝える。
 牋打椣豢時代瓩噺討个譴襪泙任砲覆辰晋什澆琉打楡権。自民党も、総裁任期をこれまでの2期6年から3期9年に延長することを決定。支持率の高さは、長年の慣習も変えるのか。
 民進党をはじめとした野党の爐討い燭蕕瓩法∪党間での権力抗争は鳴りを潜め、その半面、党内の派閥内で「ポスト安倍」を狙う動きが加速化する。麻生太郎副総理兼財務大臣率いる麻生派と、山東昭子元参院副議長が会長を務める山東派が今国会終了後に合流することを決定。谷垣禎一前幹事長がリーダーの谷垣グループの一部議員も参加する見通しで、額賀派を抜いて第2派閥となる。
 また、石破派会長の石破茂前地方創生担当相は9日、来秋に想定される次期総裁選について「選択肢は多ければ多いほどいい」と出馬に意欲を示し、安倍首相が平成32年の憲法改正を目指すなどと表明したことについて、「改正は早い方がいいが議論を粗略にしてはならない」とくぎを刺した。圧倒的な支持率に支えられる安倍政権だが、党内部から瓦解する可能性を大いに秘めている。
 中央の動きに合わせるように、党県連も依然として一枚岩とはいかず、県議会では一枚岩どころか三分している。統一地方選が行われた2年前、新しい顔ぶれとなった自民党県議らに会派の分裂について調査。真剣に分裂を解消しようという気概は誰からも感じられなかった以上に、「向こうが勝手に出ていった。謝って戻りたいというなら考える」など犧┐濱甅瓩泙琶垢される羽目に。これでは改善されないと心から思ったものだ。
 その後、橿原市長選や高取町長選でも分裂模様が明らかに。橿原では党県第4選挙区支部や橿原市支部が新人を擁立したにもかかわらず、執行部が現職の出陣式に顔を出し、高取でも新人の出陣式に県議が出席、弁士を務めた。
 もうすでに辞職した自民県議が言っていた言葉を思い出す。「国政をみてもわかる通り、党県連も分裂ではなく分派。選挙などでは一致協力する」。一致協力体制ができていれば、橿原市長選のようなしこりを残すことは決して起こることはない。
 加えて、県都のリーダーを決める奈良市長選。いまだ候補者を擁立することができず、奥野信亮会長は早くも白旗を上げる始末。党内からは「候補者がいたにもかかわらずつぶした県議がいる」などと不協和音も流れ出す。これまで徹底して仲川市政を追及してきた党市議にとってみれば許しがたい仕打ちである。このまま本当に候補者を擁立できなければ、奥野会長をはじめとする執行部の責任は免れない。
 平家物語は始めのうちは「諸行無常」を説きながら、途中からは「因果応報」の要素が濃くなっていく。弱い野党、高い支持率にあぐらをかき続けていると、あっという間に足元をすくわれることになるだろう。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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