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奈良・大和郡山市長選 市民と共に戦う選挙に

2017年06月09日

主筆 藤山純一

 「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂」。幕末、あの松下村塾で、明治時代にかけて日本を主導した人材を多く輩出した吉田松陰が、獄中で詠ったものと言われている。
 「このままでは日本は、隣の清国のようになってしまう。外国から学び、なんとか日本を守らなければならない」との熱い思いが、何度も外国船への密航に駆り立て失敗し投獄されてしまう。長州での謹慎中に私塾の松下村塾で多くの塾生を育て、やがて日本を動かす人材として飛び立っていく。まさに激動の時代を駆け抜けた吉田松陰の極めて重みのある言葉だ。
 7月2日の告示まで1カ月を切った奈良市長選でようやく無所属新人で自民党推薦の朝廣佳子氏が名乗りを上げた。前々回の選挙で民主党(当時)への追い風もあり同党の推薦候補が敗れ、前回も告示直前に推薦候補を立てたものの保守乱立で惜敗。今回も昨年から候補者として多くの人が取り沙汰されたが、本命に至らず、結局、時間切れぎりぎりの告示直前での擁立となった。
 朝廣氏は30年近く県内で大手新聞の情報誌編集長を務める一方、奈良青年会議所初の女性理事長として活躍、夏の奈良公園の夜を彩る、なら燈花会の実現に尽力し、今も平城京天平祭の実行委員長として汗を流す。また、県や奈良市の多くの審議会、委員会などの委員にも就任し、市民目線で行政に意見を述べてきた。
 奈良市長選については、ずっと以前から市内の各界各層から候補者として推す声が相次いでいたが、「一市民として行政にかかわっていきたい」との思いで断り続けてきたが、今回、まさに冒頭に記した吉田松陰の心境で立候補表明に至ったのではないか。
 市政の現状を憂え、一市民として声を出し行動してきたが、一向に改善されず、まして思い描くような市政を担う人材も出てこない。しからば自ら立とうという、やむにやまれぬ思いで決断したのではないか。先日、奈良市長選の立候補のあいさつで来社した朝廣氏から、そうした思いを強く感じたのは言うに及ばない。
 そうなれば朝廣氏に白羽の矢を立てた自民党県連の責任は重大だ。県連会長で衆院議員の奥野信亮氏、同会長代行で県議の出口武男氏、同党奈良市支部長で県議の荻田義雄氏、同党県第1選挙区支部長で前衆院議員の小林茂樹氏、さらには同党県議の池田慎久氏を含め、一丸となって支援体制を構築することがこの責任を果たし、連敗の汚名を返上するカギとなろう。
 今回の奈良市長選では朝廣氏のほか、現職の仲川元庸氏、前生駒市長の山下真氏、さらには共産党公認の井上良子氏が立候補する予定で、役者はすべてそろった感がある。
 一方、11日告示される大和郡山市長選では現職に対して2新人が挑む三つどもえの戦いとなりそうだ。本紙の世論調査では現職優位の結果が出ているが、本番はこれから。各立候補予定者には、市民の声を聞き、市民とともに戦う熱い選挙戦を展開していただきたい。

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