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自民党県連 トップの資質と責任

2017年07月21日

記者 梶田智規

 自立した個の集合体が優れた組織であり、組織の長はそれが芽生えるようにマネジメントしなければならない。そして有事の際には一枚岩になれるようにつながりを保つ。トップの役割は重要で困難。それをふんぞり返ってワンマンな運営を行っているようでは組織は衰退する。しかしそれでも「結果」を出しているのであればまだいいが、失敗続きでは話にならない。
 現在の自民党県連を、そういった印象で見ている県民は少なくないだろう。実際、取材をしていると、党支持者はもちろん、党内関係者からも厳しい声が聞こえてくる。特に若い党員は、役員と党支持者の間で板ばさみになり苦しい立場。奥野信亮会長をはじめとする役員の「総辞職」を求める声が漏れてくるのにもうなずける。
 9日に行われた奈良市長選では、3選を目指す現職の仲川元庸氏と前生駒市長の山下真氏が激戦を展開。約2000票の僅差で仲川氏が勝利した。一方、自民推薦で立候補したNPO法人理事長の朝廣佳子氏は、わずか約2万の得票数で仲川氏に4万票の差をつけられ大敗。
 奥野会長が「不戦敗はありえない」として、告示日のわずか約1カ月前に擁立した候補者だが、開票日、朝廣陣営で結果を見守ったのは、小林茂樹県第一選挙区支部長と池田慎久県議の2人だけ。それどころか、党所属の県議が山下陣営に姿を見せる始末。朝廣氏も、自民が一枚岩となっての敗戦ならば納得もいくだろう。落選後、「一緒に戦った仲間の応援がとても心強かった」と振り返ったが、この言葉は決して自民党に向けられたものではない。
 一昨年10月の橿原市長選では、自公推薦候補者が3選を目指す現職に挑んだが、363票差で惜敗。自民現職市議が現職を応援したことが大きな敗因とされ、保守分裂のしこりが残った。その後、1年半以上経過しても党内のねじれは解消されていない状況が奈良市長選で顕著に現れた。こういった自民党の現状を踏まえ、朝廣氏への推薦を見送った公明党県本部の岡史郎代表も「自民県連には大いに反省してもらいたい。進退問題に発展しても不思議はない」と厳しい意見を述べている。
 朝廣氏を推薦候補者として擁立した際、奥野会長は本紙の取材に「私が探してお願いした候補。間違いない」と自信満々に述べたが、党支持層票の約8割が仲川氏と山下氏に流れ、最終的には歴史的大敗を喫した。奥野会長は「候補者擁立が遅くなったことが一番影響した」と説明したが、そもそも擁立が遅れたのは自民県連への不信感と、候補者の名前が挙がっても党内で意見が割れたことなどが原因。また、ほかの党役員も「奥野会長が強引に候補者を擁立した結果」など責任を押し付け合う体たらくぶり。トップの質の低さが組織を衰退させた要因と言わざるを得ない。
 県連役員は25日で任期満了となり、次期会長には堀井巌参院議員(県連副会長)の名前も出ているが、奥野会長はトップの最後の仕事として役員改選を前に辞任を表明し、不信感の募る党員や党支持者らを納得させる責任がある。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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