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県南・東部振興 魅力あふれる奥大和

2017年08月18日

記者 梶田智規

 県紙の記者としては恥ずかしい限りだが、旅行といえば沖縄や北海道、海外で非日常を味わいたいという思いが強かった。無論地元である奈良は愛しているし、2年ほど大阪で暮らしていて奈良に帰ってくるとやはりこの場所が落ち着くと実感したこともある。それでも、せっかくの休みを奈良で過ごすのは…。そんな思いが本音としてあり、天川村の洞川温泉に足を踏み入れたのは今回の取材が初めてのことだった。
 犢埃圓気鹹未雖瓩噺討个譴詁鏡邁浩街の入り口には、同温泉観光協会の増谷英樹メディア部長が経営する「ごろごろショップ」がある。日本名水百選にも選ばれた「ごろごろ水」をひょうたんの形をしたペットボトルに入れて吊ってあるその風景がまたレトロな感じで良い。通りを歩いていくと両側に旅館、名産品・土産物店、飲食店などが数多く並び、どれもノスタルジーな雰囲気で癒やされる。そして夜は暗闇にちょうちんの明かりがともり、幻想的な雰囲気に包まれながら浴衣姿で下駄をカランコロンと鳴らして老舗旅館の縁側でまったり。空を見上げれば満天の星が広がっている。
 洞川温泉には今号で報じた場所のほかにも、秋は紅葉、冬は真っ白な雪が朱色の建物を彩る「龍泉寺」や、芸能の神として知られ、日本三大弁財天の1つに数えられる「天河大弁財天社」など魅力的なパワースポットもあり、1日ではとても回りきれない。さらにそれらの場所は季節によって表情が変化する。増谷氏ら地元の人たちに動画や写真を見せてもらいながら話を聞いていると、心の底から洞川が好きになり、何度も足を運びたいと思った。
 県南・東部では近年、若者が都会に流出し、過疎化・高齢化が深刻化している。洞川も例外ではなく、ここ6〜7年で人口が約700人から500人に減少。うち半数は亡くなり、あとは都会などに移住した。増谷氏は「ある程度の人数で過疎化はストップするとは思う」としながらも、「将来のある子どもたちを連れて、家族で移住したいと思えるような環境を整えていかないといけない」と危機感をもっている。しかし高層マンションやコンビニ、大型商業施設などを建ててしまうと景観が損なわれ、洞川の魅力はなくなる。自然を守りながらどう移住促進していくかは、県南・東部全体の大きな課題といえる。
 今号で報じた通り、十津川村の人力ロープウェイ「野猿」や、下北山村の関西随一の豪瀑「前鬼不動七重の滝」、山添村のフォレストパーク神野山や上北山村の大台ケ原駐車場から見る「星空」など、県南・東部には魅力的なスポットが数多く存在する。狹台下暗し瓩任呂覆い、われわれ県民は海外や県外に目を向ける前に、もっと奈良の魅力を知り、自然の宝庫である奥大和に足を運ぶべきだと痛感した。
 増田氏をはじめ、今回洞川を案内してくれた地元の人たちは親切でやさしく、郷土愛があふれ出ていた。そのおもてなしの精神こそが奥大和の一番の魅力かもしれない。その灯が絶えぬよう、今後も地域の魅力を発信していければと思う。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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