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生駒市立病院 市民に信頼される病院に

2017年08月25日

論説委員 黒田高弘

 「ついに最終手段に打って出たという印象。開院当初から医師不足が指摘され、嫌な予感はあった」。医療法人徳洲会が指定管理者を務める生駒市立病院の新院長人事で、市内の民間病院の現職院長が9月1日付けで就任予定であることが明らかになったことを受けて、市立病院に開院前から懐疑的だった市民の言葉だ。
 本紙は市立病院開院前の平成25年12月、市民231人を対象にアンケートを実施。約8割の市民が徳洲会による病院は必要ないとし、また山下真前市長を支持するとした人の約半数が別の医療法人による病院を希望していることがわかった。
 にもかかわらず、山下前市長は徳洲会が指定管理者による市立病院にこだわり続け、その結果、今号でも報じた通り、開院当初から懸念されていた医師・看護師不足は3年目を迎えた今でも払拭(ふっしょく)できず、28年度の事業報告では約6億4000万円の赤字、加えて今回の牋き抜き畫動。生駒市民12万人は、開設者の市と狄半ー雖瓩米曾Р颪砲い弔泙膿兇蟆鵑気譴覆韻譴个覆蕕覆い里。
 前述のアンケートでは、市民の約半数が「病院は必要ない」とし、「県立病院も近いし、民間病院もたくさんある。大きな病院は必要ない」(63歳男性)、「大きな病気になったら、かかりつけの医者から紹介状を出してもらう。だから、市立病院には行かないと思う」(71歳女性)と、すでに市内には近大奈良病院をはじめとする医療機関が多数あり、特に必要性を感じていない市民が多くいたが、市はこのアンケート結果を無視し、病院開設にかじを切った。
 初めて医師・看護師不足が明るみに出たのは開院1年前の6月だった。今村正敏病院長が6月27日に開かれた市病院事業推進委員会で「医師集めに苦労している」と認めたのだった。
 その後、徳洲会はグループ内での異動も含め常勤医師の確保に取り組んできたが、衆院選を巡って公職選挙法違反事件が起こり、起訴された10人全員が、1審で有罪判決を受けたことを機に、グループ全体で就職希望者が激減。現在でも、グループ内異動で医師・看護師不足解消を目指すものの、絶対数が足りない状況が続いている。
 これが、徳洲会内部だけの犒弍勅衙´瓩悩僂爐里任△譴佇原腓盡世Δ泙ぁだが、市立病院は、この徳洲会が指定管理者を務める「公の施設」であり、そうである以上、住民の福祉向上に寄与しなければならない。にもかかわらず、3年目を迎えた今でも常勤医がいないなどと平然と報告する。市民の血税で運営されているのだということを忘れてはならない。市民をバカにするのも大概にすべきだ。
 開設者であり、指定管理者に徳洲会を選んだ市も「同罪」。いや、むしろ市民にとっては市の選択こそ「最悪」だったのかもしれない。今回の院長牋き抜き畫動についても、「指定管理者の人事に介入することはできない」とまるで他人事。どこを見て仕事をしているのか。大切なのは市民の命を守ることだ。市は、市民に信頼される病院経営を徳洲会に強く求めるべきだ。

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