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北朝鮮のミサイル発射 文化で国を結び平和を

2017年09月01日

主筆 藤山純一

 北朝鮮の弾道ミサイルが8月29日早朝、北海道の上空を通過し、襟裳岬の東方約1180舛梁席人里僕邁爾靴拭このため全国瞬時警報システム(Jアラート)は北海道、東北、北関東の12道県(計617市町村)の住民に避難を呼びかけ、電車が止まり学校の休校が相次いだ。
 もし私たちの頭上に弾道ミサイルが落ちてきたらと思うと、ぞっとする。いまでも世界各地で戦争や内戦が尽きないが、まさに他人事ではない。壮絶な脅威であると同時に絶対許すことができない蛮行である。
 またミサイルに関する情報が少ないことは不安を駆り立てる。どのくらいの破壊力があるのか、落下範囲は絞られていたのか、ほとんど情報がない状況では、どこにどんな場所に避難していいのかすら分からない。
 それも発射から約14分後には着弾していたというから、考えている暇などないのではないか。今この時もミサイルが落ちてくるかも分からないと思えば、果たしてこんな日常生活を送っていていいのか、不安でならない。
 相次ぐ北朝鮮のミサイル試弾は、平成10年8月に長距離弾道ミサイル「テポドン1号」が発射され、日本上空を越えて三陸沖に落下して以来、翌11年4月には1段目が秋田沖、2段目以降は東北地方を越え、太平洋に着弾。
 その後、「テポドン2号」改良型も登場し沖縄上空を通過するなどしたほか、今年に入って2、3、5、7月と相次いで新型中距離弾道ミサイルや大陸間弾道ミサイル(ICBM)などを日本海に向けて発射、8月26日にも日本海へ短距離弾道ミサイル3発を発射したばかりだった。
 そして今回、北海道越えの中距離弾道ミサイル発射である。これに対して安倍晋三首相は米国や韓国と協力して、中国、ロシアや国際社会にも働きかけて北朝鮮に強い圧力をかけ、政策変更を迫る構えだが、果たしてどれほどの効果があるのだろうか疑問でならない。
 国連安全保障理事会も8月30日午前の緊急会合で北朝鮮のミサイル発射を「強く非難」する議長声明を全会一致で採択したという。
 もちろん非難するべきは「北朝鮮の蛮行」であり、「北朝鮮の非道」である。当然の声明である。しかし、圧力をかけてますます孤立させ押さえつけていくだけでは物事は片付かない。特に米国が硬化すればするほど北朝鮮はますます仕掛けてくるに違いない。エスカレートの果てに甚大な被害をこうむるのはわが国も例外ではない。
 「対話は解決策ではない」とトランプ米国大統領は言っているようだが、それならば武力に武力をもって解決を求めることがどんなに悲惨な結末を迎えるか、72年前に私たちは経験しているはずである。
 同じアジアの国として我が国こそが北朝鮮との粘り強く対話の糸口を探り解決策を見いだせないものだろうか。くしくもきょう1日から国文祭・障文祭が同時開催される。文化は心の共鳴をもたらす。文化をもって人と人、国と国を結び、平和の懸け橋となればと切に願う。

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