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学研高山第2工区 まちづくりは現場で

2017年09月29日

記者 梶田智規

 「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ」。警察組織の権力争いなどをリアルに描いた刑事ドラマ「踊る大捜査線」の劇場版で、織田裕二さん演じる青島刑事が令状を出すか否かで会議をしているお偉いさん方に発したセリフ。「情報なき本部」と「権限なき現場」という、現実社会でもたびたび見られるジレンマを表現したその言葉に多くの人が共感し、シリーズは大ヒットした。
 現代社会では企業や行政が現場の声を反映し、商品開発や施策などを進めていくのは当たり前。現場の声をしっかりと拾い上げることで、本質的な課題が浮き彫りとなり、自立的に改善していく文化が根付く。トップダウンの運営も状況によっては必要だとも思うが、現場の声を軽んじた運営手法は時代遅れと言わざるを得ない。ましてや、高い意識を持った人間が現場にいるならなおさらだ。   
 約20年もの間、牘漬け状態瓩箸覆辰討い訐原雹垤盪劃の学研高山第2工区について市は、「学研高山地区第2工区まちづくり検討有識者懇談会」での意見を集約し、爐燭燭台瓩箸靴独表した。だが6回にわたり開かれた同懇談会は、すべて非公開で実施され、地元住民や地権者を無視した意見集約に怒りの声が噴出。また市の財政負担についての議論もなく、「机上の空論による猝簡語瓠廚蕃葫蕕垢訐爾睚垢れる。
 生駒市といえば、県内で奈良市、橿原市に次いで人口が多く、0〜14歳の人口比率も県内でトップクラス。しかし働き盛りの世代が減少傾向にあり、65歳以上の高齢者がどんどん増えているという点では、全国的に問題視されている「高齢化」が同市でも変わらず加速しており、年金や介護費用の確保、税収減への対応がより必要になる。
 先月、「学研高山第2工区のあり方を考える生駒市民の会」が、地域エコノミストの藻谷浩介氏を講師に招き、「生駒と、その里山の未来!」と題した講演会を開いた。同会は同区の今後のあり方を、里山の保全と活用を主体とすべきか、さら地を造成して開発を主体とすべきかを考える市民団体。参加した市民の多くが藻谷氏へ積極的に質問をぶつけており、まちづくりへの意欲が伝わってきた。
 市が発表した案では、「都市と自然環境の共生」を基本的なまちづくりの方向性とし、幹線道路や学術研究・産業施設などを建設する方針。これに藻谷氏は「シャープは山の中に研究型の工場を建設して失敗した。今は都会の隙間につくるのが主流。時代に合ってない」とばっさり。「ただ人やものを集めても、将来必ず苦しくなる」と述べ、「高齢者が若者と交流できる環境づくりが重要。生駒市であれば里山の自然を生かして交流拠点として活用し、健康な高齢者を増やして、地域に貢献してもらうことが大事」と訴えた。
 講演後、参加者を取材すると、「懇談会に市民は参加できず、内容も非公開なのは納得いかない」などの意見がやはり多かった。このまま市民や地権者を無視し、トップダウンでまちづくりを進めれば、青島刑事のような言葉が聞こえてくるかもしれない。

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