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衆院総選挙 政治不信の払拭(ふっしょく)を

2017年10月13日

主筆 藤山純一

 安倍晋三首相が言う「国難突破解散」を受けて、第48回衆院総選挙が公示された。国民有権者はこれまで通り自公連立政権を選択するのか、それとも希望の党と日本維新の会を軸とする新たな保守政権を選ぶのか、さらには立憲民主党や共産党、社民党によるリベラル政権を待望するのか、どちらにしても今回の衆院選は我が国の行く末を決める重要な政権選択選挙であると言っても過言ではない。 
 戦後72年、これまで26回の衆院総選挙が行われてきたが、近年では平成21年8月の第45回衆院総選挙で当時の民主党が全国の小選挙区で3300万票を超える得票総数を獲得、比例代表でも3000万票に迫り見事政権奪取に至った。
 しかし3年後の選挙で民主党は、未曽有の被害を出した東日本大震災とそれに伴う福島原発事故への対応や政権公約の実行ができなかったことなどから政権から転落、自公連立政権に逆戻りした。
 あれから5年。安倍政権で前回の選挙(26年12月)では自公で憲法改正の可決に必要な3分の2以上の議席を獲得、極めて安定した政権運営を行ってきたが、閣僚などの相次ぐ問題発言や首相や首相夫人が関わったとされる森友、加計学園問題などが表面化。今年8月の内閣改造では、これらの問題を「真摯(しんし)に受け止め、今後も国民の信頼に努めていきたい」と謙虚に語ったその舌の根の乾かぬうちに突然の「国難突破解散」した安倍首相。
 これでは「国難突破」ではなく「安倍政権難局突破」で解散総選挙に踏み切ったとみられても仕方がない。北朝鮮の相次ぐミサイル発射への対応を解散の根拠にするなら全くお門違いである。そのような時に選挙をしている場合ではないことは誰にでもわかる話で、今回の選挙ほど大義なく理解に苦しむ選挙はないのではないか。
 そして今こそ「おごるな自民党」と言いたい。少なくとも過去5回の衆院選では、小泉旋風の時を除けば自民党の小選挙区の総得票数は2600万票前後で推移。比例区でも1800万票前後で、当時の民主党が政権を奪取し、自民党が下野した21年8月の選挙でも同党は小選挙区で2730万票、比例区で1900万票近くを得、毎回の選挙とほとんど変わらず、むしろ多かったのが現状だ。
 公明党票もほぼ800万票前後で推移していることから、結局、自公政権の存続はまさに対抗軸次第で、その対抗勢力が4割から5割近くあるといわれる無党派層の取り込みによっては大きく政局が動くのである。また、その一方で、長年の政治家の不祥事や自らの声が届かない政治に対して国民の政治不信は強まっている。
 今回のような政権の説明責任の放棄や大義なき解散、選挙のための野合と批判される野党では、さらに政治不信の声は高まり、国政選挙の投票率が常時50%を切る事態にもなりかねない。私たち国民は誰しも単純に「平和で豊かな社会で幸せに暮らしたい」と思っている。今こそ政治家を目指すべき者は、国民有権者の声に真摯に耳を傾ける時である。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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