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平成30年選挙 羊頭狗肉になるなかれ

2018年01月05日

論説委員 黒田高弘

 平成30年の幕が開けた。昨年、今上天皇の退位が来年4月30日に決まり、予定通り退位された場合、30年と113日間、昭和(64年)、明治(45年)、応永(35年)に次いで4番目の永きにわたった平成の世が終わる。すなわち、1年の間、平成の元号が使われるのは今年で最後となる。
 今年のえとは戌(いぬ)。えとには守護本尊がついており、戌の守護本尊は「阿弥陀如来」。極楽浄土に導き、救済の力、滅罪、敬愛の利益があると言われている。また、昨年の酉(とり)年は「商売繁盛・収穫の年」、来年の亥(いのしし)年は「突き進む年」と言われるなか、今年は「守りの年」になるとされている。
 昨年は、まさに内憂外患の一年だった。森友学園への国有地売却問題に始まり、「総理のご意向」文書報道を皮切りとした加計学園問題、トランプ米国大統領誕生に伴う北朝鮮問題。内憂については、新語・流行語大賞に「忖度(そんたく)」が選ばれ、外患は今年(平成29年)の漢字として北朝鮮の「北」が選出された。「商売繁盛・収穫の年」はどこ吹く風だったような気がしてならない。
 そんな中、10月には衆院選が行われ、当初は政権選択選挙になるかと注目を集めたものの、ふたを開ければ、自民・公明の連立与党が圧勝。県内でも自民が議席を独占する結果に。準備不足の野党を見越した上での解散に打って出た安倍晋三首相の戦略勝ちとも言えなくもないが、いずれにせよ国民は、安倍政権に疑惑の目を持ちつつも認めてしまったことになる。
 結果、安倍首相の悲願である改憲議論が巻き起こり、他方公約に掲げた教育無償化は、先送りされ「選挙目当て」と非難の的に。昨年末、2度目の総理大臣就任から5年を迎えた安倍首相は、「『申酉(さるとり)騒ぐ』という相場の格言があるが、騒がしい一年だった」と振り返ったが、世間を騒がせたのは総理自身ではなかったかと言いたい。
 とにもかくにも、騒がしかった1年は終わり、新たな年を迎えた。1日には北朝鮮の金正恩委員長が、米国本土への攻撃が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備を宣言するなど、きなくさい話が出ているが、2月には平昌冬季五輪、6月にはサッカーW杯、また狷鹽疥畭臙翔平のメジャー挑戦と、スポーツ界では明るい話題が続々と提供されそうだ。
 県内は今年、8市町村で選挙が行われる。一昨年の参院選、昨年の衆院選が終わり、来年の統一選、参院選という大きな選挙が控える中、穏やかな一年となりそうだ。だがしかし、宇陀市と東吉野村ではダブル選、御所市では議長の辞職騒動となった議員定数削減での市議選もあり、それぞれの地域の有権者にとっては大事な選挙であるとことは言うまでもない。
 選挙では、立候補者それぞれが公約を掲げ、戦うことになるが、選挙目当てだけの口約束は断じて許されない。「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」という。有権者の支持、狎兇一票瓩亡脅佞掘決して「羊頭狗肉」になるなかれ。

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