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数字で見る奈良 輝かしい記録の舞台裏

2018年01月19日

記者 梶田智規

 野球殿堂入りのメンバーが15日発表され、日米通算507本塁打を放った松井秀喜氏が史上最年少で選出。1492試合連続フルイニング出場の記録を持つ阪神の金本知憲監督、前巨人監督でリーグ優勝7度、日本一3度の原辰徳氏らが選ばれた。3氏とも輝かしい記録を残しているが、その舞台裏ではスタッフや家族など、スポットが当たらない周囲の人たちの努力がある。これはスポーツに限らず、どの業界にも共通する。
 県内各地でホテル建設が見込まれ、明るい兆しが見える県経済。外国人を中心に観光客数も年々増加。ホテルのみならず工場立地件数も全国で上位に付け、就業地別有効求人倍率も1・58と過去最高を記録した。県民として特に誇らしいのが、障害者雇用率2年連続1位という記録。平成28年に2・60%でトップの座を奪い、昨年は2・62%と前年を上回る数字をたたき出して連覇を成し遂げた。
 平成25年4月1日から民間企業の障害者法定雇用率は1・8%から2・0%に引き上げられ、県は奈良労働局と共同で運営する「障害者はたらく応援団なら」を設立。障害者の就労に積極的に取り組む企業などで構成し、ニーズに応じた職場実習の受け入れ拡大や、就労支援機関などと連携した就労定着支援などを官民一体となって行っている。設立当初20社だった登録企業は現在では48社に増加。法定雇用率を達成した企業は過去最高の361社となり、7年間記録を更新し続けている。
 県は年に1度、荒井正吾知事が会長を務め、各界の代表者が障害者の課題を共有し、今後の取り組みなどについて議論する「障害者政策推進会議」を開催。合わせて、障害者への理解を深める「障害者政策推進フォーラム」も実施している。同フォーラムでは、障害者を積極的に多数雇用している企業を「障害者優良事業所」として表彰。同応援団に新たに加入した企業の紹介なども行い、協力企業の参加を促している。
 素晴らしい取り組みだが、障害者雇用率全国1位という記録も含め、これらの事実を県民の何割が周知しているのかは疑問。われわれメディアも含め、この活動や記録を県内外に強くアピールすることで、さらに協力者を増やして首位を死守したい。
 また、県内にはハローワークと連携し、障害者の就労前後をフォローする施設が数多く存在する。奈良障害者職業センターでは、障害者職業カウンセラーが就職、職場適応などについての相談を受け、各種作業や検査を行い、相談者の得意なこと、苦手なことを整理。個々の状況に応じた支援計画を策定し、就職や復職、職場での定着を目指す。事業主に対しても、障害者の採用、配置、職場定着などの相談や情報提供、指導方法の助言などをしている。雇用後も最低1年間は担当のジョブコーチ(職場適応援助者)が職場に出向き、本人と事業主、双方にヒアリングなどを行う。
 このように、輝かしい記録は舞台裏で地道な努力を重ねる人々の存在があり生まれる。その舞台裏にスポットを当てるのはわれわれ地元紙の役割だと、あらためて肝に銘じたい。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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