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[2018年01月26日]

 「散る桜 残る桜も 散る桜」。江戸時代の僧侶で歌人でもある良寛和尚の辞世の句と言われている歌。美しく咲いている桜もいつかは必ず散るという意味で、「人の命は限られているということを心得て生きなさい」という良寛和尚の最後のメッセージとも受け取れる▼警察庁によると、昨年の自殺者は2万1140人で8年連続で減少。しかし10歳代の自殺者は29人増の516人。限りある命に自ら見切りをつける若者が後を絶たない▼県立奈良北高校で27年12月、1年生の男子生徒が英語の期末試験中に「トイレに行く」と4階の教室を出た後、近くの窓から転落し死亡。答案用紙の裏には、日常的に複数の生徒からバカにされていたことや、家族への感謝の言葉が書かれていた▼第三者調査委員会の報告書では、男子生徒は入学直後からクラスメートへ積極的に話しかける姿が目立っていたという。しかし「変わっている子」という印象を持たれ、浮いた存在として見られるように▼校長やクラスメートの退学を後押しするような発言や行動から、自分の存在価値を見失った男子生徒は追い込まれ、最後は自ら散ることを選んだ▼今年も厳しい冬を迎えたが、この寒さを乗り切れば桜が満開に咲く季節がやってくる。桜も人の命もいつかは必ず散るもの。しかし未来ある子どもたちに、自ら散りたいと思わせるような教育環境は、この世から根絶しなければならない。(梶)

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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