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いじめ問題 「#Me Too」で撲滅へ

2018年01月26日

論説委員 黒田高弘

 大相撲の春日野部屋に所属していた力士が、弟弟子に暴行を加え、あごの骨を折るなどの大けがをさせ、執行猶予付きの有罪判決を受けていたことが明るみになった。
 この事件について部屋の親方で日本相撲協会の理事でもある春日野親方は公にしていなかったことも判明。元横綱日馬富士の暴行事件に端を発し、協会の対応がクローズアップされる中での新たな不祥事発覚により、協会の体質にメスが入れられるかもしれない。
 隠蔽(いんぺい)体質が指摘される日本相撲協会だが、これは同協会だけの話ではない。昨年にはデータ改ざん問題における神戸製鋼でも指摘された。森友・加計問題について文書を提示しない安倍政権も隠蔽体質と言われても仕方がない。とにかく今の日本には牘J鱈瓩まん延している。
 文部科学省が昨年10月に発表した平成28年度の小中高校などにおけるいじめの認知件数は32万3808件で過去最多となった。県内でも2487件のいじめが認知されたが、前年は4233件で約半数にまで減っている。
 これについて県教委は「27年度は、いじめの疑いのあるものまですべて認知するということが各学校に浸透していたが、教員らにも戸惑いがあり、28年は意思の統一ができていなかった」とし、「その点をきちんと周知し、現在29年の件数を集約している。おそらく27年に近い件数になるのでは」と説明。わずか1年で約1500件もいじめが減ったり増えたりするはずがない。ここにも隠蔽の2文字が透けて見えやしないか。
 大阪市は教師がいじめを隠蔽したことが発覚した場合は、同教師を懲戒処分することを明記した「市いじめ対策基本方針」を策定している。学校内での隠蔽が根強い証左でもある。
 加えて、奈良市の中学生6000人分のアンケート結果では、「いじめを見たとき、どういう気持ちになったか」の問いに、「止めたいけど怖くて止められない」と答えた生徒が1722人でトップ。「関わりたくない」が897人と続いており、これは生徒のみならず教師にも当てはまるだろう。だが、教師がいじめに無関心になれば、子どもたちはどこに救いの手を差し伸べればいいのか。いじめがなくならない根源は「隠蔽」と「無関心」にある。 
 ハリウッドのプロデューサーのセクハラ問題をきっかけに、SNS上でハッシュタグ「#Me Too(私も)」でセクハラを告発する動きが世界中で拡散しているが、このムーブメントがいじめ撲滅へのヒントになりはしないか。
 いじめを受けた子どもも、やりたくないのに、いじめに加担させられた子どもも、周りと同調して見て見ぬ振りをした子どもも皆、「#Me Too」。子どもたちにとっては学校や担任教師には言えない、家族にも言えない、教師にとっては教頭や校長に言えない、言っても握りつぶされるが、第三者には訴えることができるかもしれない。「#Me Too」が牘J誕亮銑瓩里海旅颪鯤僂┐襪もしれない。

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