悠言録[2018年02月16日] 平昌冬季五輪で日本人選手が目覚ましい活躍をみせる一方、大リーグではフリーエージェント(FA)選手約100人が未契約となっており、イチロー外野手や上原浩治投手といった日本人選手の移籍先がまだ決まっていない▼FAとは、所属チームとの契約を解消し、他チームと自由に契約を結ぶことができる状態のことを指し、例年は12月初旬ごろから活発な動きを見せるが、今オフはFA選手のうち半数近くが未契約という異常事態に陥っている▼金で勝利を買う時代が終焉(しゅうえん)を迎えている。昨季、球団史上初のワールドチャンピオンに輝いたヒューストン・アストロズの選手総年棒は30球団中19位。若い選手を投打の柱に据え、足りない部分をFAなどで補強し、初優勝を果たした▼大リーグのみならず日本球界でも、昨今は大型補強をせずに若者を育て上げるチームが増えつつある。資金力にものを言わせる球団はごく少数になり、セリーグ2年連続覇者の広島などはその最たる例▼バンビシャス奈良は、B2西地区で勝ち星1桁台の8勝28敗とダントツの最下位。加藤真治代表は「資金的余裕がないことが勝てない一番の原因」とするが果たして本当にそうか。資金が少ないのであれば、少ないなりの準備や体制づくりがあったのではないか▼大リーガー、イチローは言う。「準備というのは、言い訳の材料となり得るものを排除していく」と。(虎) |
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