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バンビシャス奈良 長期視野でチーム再建を

2018年02月16日

編集委員 藤田茂

 わがバンビシャス奈良の成績が振るわない。実績のあるジェリコ・パブリセビッチヘッドコーチ(HC)を迎え、確かな手ごたえのもと臨んだ5年目のシーズンはまさかの最下位に沈み、ファンを大いに落胆させている。チーム不振の責任を取る形でパブリセビッチHCは奈良を去る。招聘(しょうへい)も簡単ではなかっただけに、その手腕を発揮する場面をほとんど見ることもなく退任するのは極めて残念だ。5年目にしてチームは成長するどころか、足元から崩れてしまった感がある。建て直しに本腰を入れてほしい。
 「プロは勝ってなんぼ」とも言われる。負け続けるチームを応援したくなる気持ちもわかる。そうしたファンの気持ちを忖度(そんたく)して新聞社はチームに喝を食らわすつもりで厳しい論調になる。だが、プロスポーツは勝ち負けだけだろうかという疑問も残る。
 かつて常勝を誇ったプロ野球チームの阪急ブレーブスは勝っても一向に人気が出なかった。一方の阪神タイガースは負けても負けても観客は球場に足を運び続けていた。阪急と阪神を対比すればどっちが勝っているのかは言うまでもない。
 長らく弱い阪神を応援するその心理が理解できずに冷めた目で見ていた。巨人に勝った翌日は大騒ぎである。あの強い巨人に勝った、と自慢する姿は屈託がない。阪神ファンは場内外で選手や監督に対して遠慮のない罵声を浴びせることもある。親心みたいなもので、そこには愛情がある。阪神ファンは純粋に応援を楽しんているのである。
 阪急ファンに尋ねたことがある。スタンドの観客を数えるのが楽しみ。返ってきた言葉に笑うしかなかった。
 わがバンビシャス奈良は地域に根差したプロチームなのだから、優秀な選手を集めて勝利することだけではないと考える。奈良は大企業が少なく、バンビシャス奈良は数多くの小さな企業やファンの支えによって成り立っている。その方々が望むのは、プロバスケットボールを通じて地域が盛り上がることではないか。コートでは地元出身の選手がゴールを決める。そして成績も上がる。それが地域プロスポーツの理想と考える。
 いまのバンビシャス奈良には地元の選手がいない。設立時に活躍した地元の笠原太志や稲垣諒は去り、設立時のメンバーは本多純平だけになっている。笠原や稲垣が成長し、さらには優勝というプランを勝手に描いていた。その希望の芽が摘み取られた思いだ。
 プロバスケットボールの世界は1年ごとに移籍が茶飯事のようである。さまざまな理由があってそうなるのだろうが、ファンからすればやはりひいきの選手は長くチームにいてほしい。だから応援にも熱が入る。
 バンビシャス奈良を応援する子どもたちが成長してチームをけん引し、引退後は子どもたちを教えるといったサイクルができてはじめてバンビシャス奈良は成功したと言っていい。
 来シーズンに向けてのチーム再建は容易でない。球団経営、チームの在り方、そのうえで育成と補強を考え、長期的な視野でチームづくりを進めてほしい。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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