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課題多き教育現場 悩める教師をなくそう

2018年03月02日

主筆 藤山純一

 「学級崩壊」「学校崩壊」「家庭崩壊」といわれて久しいが、将来の社会を担う子どもたちへの教育がおざなりにされているという現実が、なかなか改善されていないのではないか。果たして県内のどれだけの学校現場で、教師が一人一人の子どもとしっかりと向き合い、教育が行われているのか、疑問でならない。
 学級の担任教師も教頭も校長も、また子どもたちの親も地域社会も、子どもと触れ合い、その能力を引き出し、学び考える力をつけられるような教育環境づくりに尽力しているか。教員事務の煩雑さや保護者からの要望やクレーム対応に追われ、子どもたちと向き合う時間や教材研究の時間が取れないのではないか。
 また、子どもたちの親は、家庭ですべき教育を子どもと接する時間が少ないという言い訳で学校に押し付けていないか。学校での取り組みをあら探しばかりして「モンスターペアレント」になっていないか。もしこのような現状であるならば、まさに教育の主役である「子ども」を忘れているのかと言いたい。
 「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」(奈良日日新聞社発行)を出版し、今も自宅を開放して教え子らの現役教師や企業人らで「浅田教育塾」を開いている浅田芳正さん(67)=橿原市=は「教育は目先のことばかりではではなく、20年、30年後の人づくり」とし、「今の現場の教師は雑用や書類書き、親との対応などが多く、時間的、精神的余裕がない。子どもと遊ぶ時間もないのが現状だ。教育予算を増やし教員の増加を図り子どもと向き合う時間を確保する教育の再生が必要では」と語る。
 そして平成20年以降、教師の精神疾患による病気休業者は、毎年5000人を超すといわれ、その要因は5つあるという。その1つは「学習指導ができない」ことで、授業以外の仕事が多く本来の業務である授業研究に時間が取れない上、新たな英語教育やPC教育などの教材研究が必要になってきているからだという。
 2つ目は、しつけができていない子どもが多くなり生徒指導に時間を割かないといけない現状で、「子どもとの関わりが難しい」ことだという。そうした子どもの変化に教師がついていけない現状だ。さらに3つ目は「保護者との対応」で、学習指導や生徒指導がうまくいかず、学級が荒れだすと、当然ながら保護者からクレームが多くなり、それに時間を取られるという悪循環に陥っている。
 4つ目は「職場の人間関係」で悩むケースだという。「以前はストーブを囲んで教育談義や学校帰りの居酒屋での爛離潺縫院璽轡腑鶚瓩發△辰燭、今は一人で悩みを抱え込む教師がほとんどではないか」と話す。
 最後に「私生活とのバランス」で悩んでいる教師も。早朝から深夜までの勤務などで私生活に支障をきたし家庭不和で悩む教師も多いという。大切な子どもたちに大きな影響を与える教師。その悩める教師がしっかりと子どもと向き合える教師になってもらうために、私たちは何ができるのか、考えるべきだ。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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