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定数削減議論 広く民意反映する議会に

2018年03月16日

論説委員 黒田高弘

 専門性の高い地域リーダーの育成を目指す、奈良地域デザイン研究所(村内俊雄代表)が先月25日に実施した催しで、元三重県知事で早稲田大名誉教授の北川正恭氏が「未来を見据えた地域デザイン〜私の場合〜」と題し基調講演を行った。
 その中で北川氏は、地域を担うのは民意の代表である議会であるとし、「民が官をリードする必要がある。民意が反映される議会になることこそ、真の地方創生だ」と熱弁を振るった。
 昨年の衆院選で、奈良は「0増6減」対象県となり、4選挙区から3選挙区に1減となり、選挙区割りが大幅に変更された。いわゆる「一票の格差」を2倍未満に抑えるのが目的。最高裁が前回選(平成26年)までの3回の衆院選を「違憲状態」としたためで、昨年の区割り変更により、一票の格差は最大2・552倍から1・999倍に縮小された。
 また、28年の参院選では、鳥取県と島根県、徳島県と高知県という県レベルでの合区が行われ、鳥取県・島根県選挙区では島根県出身者、徳島県・高知県選挙区では徳島県出身者がそれぞれ当選。47都道府県で唯一、鳥取県だけが、同県に住所を置く候補を比例区を含めて選出できなかった。
 これについて、平井伸治鳥取県知事は「合区は、今回限りにするべき」、溝口善兵衛島根県知事も「民意を伝えることが難しくなる」と懸念の声を表明。議員定数の削減は、人口の少ない地域のみへのしわ寄せに過ぎなくなっている。
 奈良県議会は平成19年の選挙から、「1増5減」し、18選挙区48人から16選挙区44人とした。減少されたのは、人口減少が続く五條市や御所市、吉野郡など。人口比例での定数のみで定数削減問題を考えれば今後も過疎地域の住民の声は県政には十分に届かないことになる。
 県議会議員定数等検討委員会(川口正志委員長)は昨年10月の設置以降、これまで4回の会合を開き、第3回会合では2会派(公明党、日本維新の会)が削減、2会派(創生奈良、日本共産党)が増加、残る4会派(自民党、自民党奈良、自民党絆、民進党)が現状維持としたものの、各会派に持ち帰った結果、8会派が「現状維持」に落ち着いた。やはり、削減により民意が反映されないなどの懸念が出たためだ。
 では、現在の定数で「一票の格差」を是正し、広く民意を反映させるためにはどうすれば良いか。答えは単純明快。人口比例を考慮せず、奈良市・山辺郡選挙区の定数を減らし、他の選挙区を増やせばいいのである。
 奈良市の人口35万6992人(29年10月1日推計人口)に近い中核市である埼玉県川越市(35万190人)の定数は4、大阪府高槻市(35万145人)は三島郡と合区で4。政令市・中核市は都道府県から移譲される権限が大きく、県に物申す機会は少ない。そういった意味でも奈良の11人は多いと言わざるを得ない。
 同検討委員会は6月にも意見を集約し、議長に対し答申するという。党利党略、私利私欲ではなく、広く民意を反映するための定数議論をお願いしたい。

  • 教職40年 浅田芳正氏の教育奮闘記「教育は教えないこと!〜考える力を育てる〜」 好評のうちに連載終了 平成28年3月18日刊行
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