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[2018年04月13日]

 「最盛期には270軒以上あった吉野の紙すき業者も、現在では10軒以下に激減した」。以前取材した、吉野で和紙づくりを営む70歳代の男性の言葉。激減の理由には、洋紙の発達や日本の生活様式の変化などを挙げたが、一番の悩みは技術の継承だ▼一朝一夕ではとても修得できない伝統技術。時間がかかるうえに将来性も豊かとはいえない。男性は「趣味として興味を持ってくれる人はいるが、本業となると難しい」とため息。近年では、若者の「生きがい探求」の風潮もあり、その受け皿にはなりつつあるが、以前厳しい状況が続く▼さらに継承問題は職人だけではとどまらない。現在、中小企業経営者の高齢化が進み、5〜10年の間に多くの中小企業が事業承継のタイミングを迎え、後継者不足が大きな課題に▼後継者が見つからずに廃業する企業がすでに全国で年間約7万社。これによる失業者が30万人にも及ぶという危機的状況だ▼しかしその一方で、時代の変化に合わせた事業の魅力づくりをしている企業では、後継者問題は起こらないともいわれる。和紙づくりを営む男性も、「伝統技術を今の生活社会・空間にどう生かすかを考え、新たな魅力を発信することが問題解決への道」と強調していた▼小学生の将来なりたい職業の上位に「ユーチューバー」がランクインする時代。ダーウィンの進化論ではないが、どの世界でも変化に対応できる者が生き残る。(梶)

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