論点

トップ論点一覧 > 論点

悪質タックル問題 狒杼力甞悗峇超を

2018年06月15日

記者 梶田智規

 平成28年から18歳選挙権が導入され、今月13日には成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる改正民法が参院本会議で賛成多数により可決。2022年4月から施行される。飲酒や喫煙、公営ギャンブルについては健康被害や依存症を懸念し、20歳以上が維持されるが、クレジットカードやローンなどの契約は18歳から可能に。国会審議では野党などから「被害防止策が不十分」などの声が上がったが、結果的には若者に一定の責任と自由を与える形となった。
 近年、少子高齢化が急速に進み、国の成長戦略や未来のため、若年層の社会参画を促すという大きな流れがあるが、果たしてそれに見合った教育環境の整備ができているのか疑問。世間を大きくにぎわせている日本大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題がその不安を浮き彫りにしたように感じる。
 無論、この問題に対する日大の対応は最低だった。関学アメフト部のOB、東川裕御所市長が本紙の取材で挙げた危機管理で大切な3つのキーワード「スピード感」、「時系列に沿った整理」、「正直、誠実さ」のすべてを満たしていない。「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きていたことが問題の本質」との説明もまったく納得できるものではなく、学生よりも組織を優先する対応に怒りを感じた。
 ただ怒りと同時に違和感を感じたのは、当事者の日大の選手が狎人瓩靴討い襪砲發かわらず、多くの有識者が「まだ大学生」、「まだ20歳」と擁護する姿。自身の学生時代の部活動などを振り返ると、確かに監督やコーチ、先輩の命令は絶対で、理不尽なことを要求されることも多かった。しかし今回のように、プレーと関係のない場面でタックルをして相手を負傷させたら自分の立場はどうなるか―。20歳ならば容易に想像できたはずだ。本人も会見で認めている通り、心が弱く、未熟だったと言わざるを得ない。
 この問題は今の教育の在り方に警鐘を鳴らしているようにも感じる。子どもの活字離れが進む中、礼儀や社会性、コミュニケーション能力はもちろん、未来を先読みする「想像力」をどう身に付けさせるかが重要ではないだろうか。そして学生スポーツでは、対戦相手やライバルをリスペクトする心を育むことを大前提に、監督やコーチは指導に当たるべきだ。
 日本代表でキャプテンも務めた元プロサッカー選手の宮本恒靖氏はテレビでこの問題に対し、「監督やコーチが何を言おうと、グラウンドで表現するのは選手本人」とコメント。自分の意思を持たない選手のプレーで感動は生まれない。
 文科省の28年度の調査によると、1000人当たりの小中学校の不登校児童生徒数が、調査を開始した10年度以降で過去最多の13・5人(前年度12・6人)に増加したという。この結果を受け、各自治体の教育委員会が訪問教育相談を実施するなど、同生徒の居場所づくりに奔走している。若年層の社会参画は素晴らしいことだが、政府はまず足元に目を向け、時代の変化に合わせた教育環境の整備を優先させるべきだ。

  • 10月5日付新聞の事前予約はコチラ
  • 奈良日日新聞社は「Sport for Tomorrow コンソーシアム」の会員です。
  • LINE@で情報発信中!!
  • 凛と咲く〜輝く女性たち
  • 広告のご案内
  • 購読・購入のお申込み
  • 会社情報


ホームニュース紙面内容紹介論点悠言録

購読のお申し込みバックナンバー購入のご案内広告のご案内会社情報個人情報保護

当サイトに掲載の記事・写真・図版などの無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権並びに国際条約により保護されています。

Copyright Nara Nichinichi Newspaper