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奈良クラブ サッカー哲学の構築を

2018年11月30日

記者 加藤浩司

 第20回日本フットボールリーグ(JFL)は18日、セカンドステージ最終節を終え閉幕した。JFL最強豪のHonda FCが3年連続の年間優勝を果たした。奈良クラブの年間通算順位は8位(12勝6分12敗)で、今シーズンも念願の目標であるJ3昇格を逃した。悔しい結果だが、全30試合を戦い抜いた監督・選手らの健闘をたたえたい。
 今シーズンはJリーグ経験者など実績のある選手を何人も補強したにも関わらず、成績は振るわず。前シーズン(7位)よりも順位を落としてしまった。サポーターからは「『あと一歩』を感じさせられる試合が多かった」「不完全燃焼に終わってしまった」など、厳しい声も上がった。
 奈良クラブがJ3に昇格するには何が必要なのか。
 この問題を考える上で、18日のセカンドステージ最終戦(ならでんフィールド)終了後に本紙のインタビューで語った矢部次郎理事長の指摘は示唆的だ。
 「奈良クラブらしいスタイルをまだ見つけられていない」
 こう述べた後、監督によってプレースタイルが左右される状況を繰り返していると続け、クラブとしての「サッカースタイル」の確立が不可欠だと強調した。
 確かに、「奈良クラブってどんな(サッカースタイルの)クラブ?」と聞かれても、すぐに答えられない。誰もが、奈良クラブといえば「○○サッカーだよね」といえるような、クラブの代名詞となるサッカースタイルはまだないように思う。
 これは単なる「代名詞」の問題ではない。成果の「積み上げ」につながる根本的な問題だ。
 勝負の世界である以上、結果がでなければ監督が交代することは仕方がないことだ。しかし、監督が代わるたびに、また0から出発するのと、監督が代わっても「変わらない土台」の上に新しい要素をプラスアルファしていくのとでは、選手のパフォーマンスに大きな差が生まれる。一つには、練習の効率が大きく違ってくるからだろう。
 最終戦終了後の記者会見で、薩川了洋監督も、こう強調。
 「積み重ねがないと上(J3)には上がれない」
 その薩川監督も今シーズンで任期満了のためクラブを去ることになった。「もう一年欲しかった」と名残を惜しむ一方で、選手たちにはパスサッカーを「しっかりと植え付けられた」と自負。「次にどんな監督が来ても、残った選手たちでこれ(パスサッカー)を土台に頑張ってほしい」と注文を付けた。
 奈良クラブに必要なものは、もう明らかだ。それは、チームの「DNA」ともいえるクラブを貫く「サッカー哲学」だ。成果を積み上げていく上での「ゆるぎない土台」だ。
 その意味で、最終戦セレモニーでの向慎一主将の意気込みはまったく正しい。
 「今シーズンまでやってきたことを土台に来シーズン以降さらに上積みしていけば、希望を持って戦っていける」
 まずは、奈良クラブのサッカー哲学の構築をしっかりと進めてほしい。それを抜きにJ3昇格はない。

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